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独自の進化を果たした東芝「RD-X8」(後編)BD/DVDレコーダー特集(3/7 ページ)

» 2008年11月11日 13時27分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

プレイリストダビングも継承

 ダビング機能もほぼ旧モデルから継承。既に触れたとおりHDD内部でのダビングも可能で、プレイリストのダビングも行える。ダビング10に合わせて機能強化されたわけではないが、結果としてダビング10のメリットを大きく享受できる形になった。またTSE、VRモードともに細かくビットレートの設定ができるため、ダビング先のメディアの残量に合わせた「ぴったりダビング」でも、可能な限り高いビットレートでダビングできる点も特徴の1つといえる。

photophotophoto ダビングはHDD/DVD/LAN接続されたRDシリーズ/i.Link接続したRDシリーズ、D-VHSデッキに対して行える。LAN経由でダビングできるのはコピー制御されていないVR録画の録画番組のみ。高速ダビングを選択した場合でもDVDメディアに収まらなくなったときは録画モードを変換しながらのダビングにそのまま移行できる
photo ウィザード形式で操作できるかんたんダビングも準備されている。コピー制御されていないDVDからHDDへのダビングでも劣化のない高速ダビングが行える

 一方でコピー制御された録画番組、つまりデジタル放送の録画番組のダビングに関しては高速ダビング(高速コピー管理ダビング)中でも相変わらずマルチタスク動作ができない点はどうにかしてほしい。ダビング先がDVD-R/DVD-R DLでない場合にはダビングを中断して予約録画を実行してくれる「録画優先」のポリシーは同社製品らしい安心の部分ではあるし、ダビング10のおかげで1度ダビングに失敗しても困ることはそうそうなくなったわけだが、アナログ放送世代の同社製品を知る人には不満の多い部分だろう。

画質改善、長時間録画も可能になったMPEG-4/AVC録画

 本機では対応する光学メディアがDVDのみであるため、BDレコーダーと比較するとより重要な機能となるのがMPEG-4/AVC録画機能だ。同社では最低ビットレートを3.6Mbpsとすることで「6倍録画」(BSデジタル放送をTS録画した場合に比較して同一メディアに6倍の時間保存可能の意味)をうたっていたが、低ビットレートでは競合製品よりもブロックノイズが発生しやすい傾向もあり、実際ネット上ではそういった点を指摘するユーザーの声も多かった。

 本機では「HDトランスコーダー」(おそらく変換チップ)を変更して画質を改善。Webサイトにも「低ビットレート時のブロックノイズを低減」の記述があり、ユーザーの声も反映した形になっている。またハイビジョン解像度での最低ビットレートを2.8Mbpsまで引き下げて「7倍録画」を実現し、1〜2.6MbpsでSD解像度(720×480ピクセル)でのMPEG-4/AVC録画も可能にしている。ソニー製品ではSD解像度までMPEG-4/AVC録画に統一しているが、本機の場合は従来通りMPEG-2でのVR録画もフルサポートしている点が異なる。なおアナログ放送や外部入力からの録画はVR録画のみだ。

 録画モードはMPEG-4/AVCのTSEモードで1.0〜17Mbpsと幅広いビットレートをサポートしており、前述の通り1.0〜2.6MbpsがSD解像度、2.8Mbps〜17MbpsがHD解像度になる。また2〜10Mbpsは0.2Mbps刻み、10〜17Mbpsでも0.5Mbps刻みで、TSEモードだけで57段階に細かく設定が可能だ。ただしプリセットが一切ない点は分かりにくいといえば分かりにくい。本機の場合、VR録画でもプリセットは「SPモード」(4.6Mbps)と「LPモード」(2.2Mbps)しかないのだが、TSEモードでも同じように「標準」「長時間」くらいのプリセットは目安として用意すべきではないだろうか。

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