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第107回 ロードレースとスピード感の関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/4 ページ)

» 2008年11月13日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

望遠で迫ってくる選手を撮る

 今回は雨が降りそうな曇天。でもシャッタースピードを上げないと被写体ブレは避けられない。だからコンパクトデジカメだとどうしても撮れる絵が限られてくるし、連写も弱いので(せいぜい秒1〜2コマ)難しい。

 例えばこのくらいの違いが出る。

ハイエンドコンパクトデジカメで撮影。ISO400で1/320秒
一眼レフで連写。きちんとAFも追従してくれるし、ISO800だが絵があまり荒れない

 迫ってくる選手を撮るときはAFをコンティニアスAFにし選手を追うべし。大事なのはシャッタースピード。目的のシャッタースピードが得られるまでISO感度を上げる。

 また、選手が来る前に数枚撮影して露出とホワイトバランスをチェックして待つべし。例えば背景が山で色が暗いときはちょっとマイナスに、逆に背景が空だとプラスにするといい。

 ホワイトバランスはちょっとした加減(天候や背景の色や日陰か否かなど)で微妙に変わってくるので、昼間の屋外なら「太陽光」に固定してしまう方がいいだろう。このあたりはほかのスポーツでも同じだ。

 次の撮影場所は山頂。山頂をちょっと越えた位置で、坂を上りきった選手が姿を現すシーンをローアングルで狙えるのである。

 選手が来ないときはみんながダラダラ歩いたりいい観戦場所を探したりしており、選手が近づくとさっとコースを開け、こんな風に選手が通過していく。観戦慣れしてない客が多いと危なっかしいものだが、幸い接触事故などはなかったようだ。

 さて、自転車ロードレースは選手の前後にクルマやバイクが走る。それはオフィシャルだったりテレビクルーだったりするが、それは「選手がくるぞ」という目安になる。だがそのせいでこんなことも。そういうときはマニュアル露出にし、何枚か試し撮りをして露出を固定してから待つとよい。

後ろにいたバイクのヘッドライトが被ったため、カメラの露出がそれに引っぱられておもいきり暗くなってしまってとほほ(写真=左)。露出を固定すればOK(写真=右)

 ドキドキするのは山頂の向こうから先頭の選手が顔を出す瞬間だ。それを望遠で狙うと、前景と背景が大きくぼけた写真となる。今回は観客が多すぎて右に身を乗り出した客がかぶっちゃったのが残念。そして山頂を通過する。

どちらも1/400秒でISO800。マニュアル露出で撮影。先頭を逃げる3人

 その後、追走集団が通過するが、まだ動いてはいけない。遅れはじめた選手もいるからだ。

レース中盤にして疲れた様子で水分を補給しながら登場した「ジャイアントアジアレーシングチーム」の選手

 4時間以上のレースなのでレース中の栄養や水分補給は欠かせない。そこでコースの一部に「補給ポイント」が設けられており、そこを通過する際にチームスタッフから補給を受けることができる。

 こういうそのスポーツならではのシーンは確実に撮っておく。

ボトルを受け取ってすかさず飲むブイグテレコムの選手(写真=左)、ボトルはこのように走りながら受け取る(写真=右)

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