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AV機器としてのコダワリに満ちたBDレコーダー、パイオニア「BDR-WD900」BD/DVDレコーダー特集(5/6 ページ)

» 2008年11月21日 12時23分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 また、高速ダビング時の静音モードは効果が大きい。BD-Rの4倍速メディアを利用すると通常の高速ダビングでは風切音を伴う、いかにも光学ドライブが動いてますという動作音を発するが、静音モードであればほぼ気にならないレベルに収まる。深夜に予約ダビングさせるといった時にも重宝するだろう。

 関連する機能として編集にも触れておこう。同機の場合、部分消去とチャプター編集が可能で、フレーム単位での編集点の設定が可能。編集時にコマ戻しの動作が遅く気になったが、例えば部分消去は再生時もフレーム単位の編集がほぼ正確に反映され、これはBDにダビングした後も同様だった。実際には編集後もGOP単位で実体は残されているので(早送り/早戻し時などにカットしたはずの部分まで見えてしまうことがある)、BDメディアにダビングした場合にはプレーヤー次第の所もあるが、自機再生ならシームレス再生がきちんと機能して編集点はずれることなく再生してくれる。

photo 編集機能は録画番組一覧から黄色ボタン(機能メニュー)で呼び出せる。部分消去、チャプター分割/結合が行える
photophotophoto 部分消去は開始/終了点を1カ所ずつ指定して随時行うタイプで、作業を繰り返すこともできる。タイムカウンターはフレーム単位まできちんと表示する。実行前にプレビュー(内容確認)ができる点、直前の作業は取り消しできる点は親切だ
photo チャプター分割も画面レイアウトはほぼ共通。こちらはどんどん決定ボタンで分割点を追加していける

バランスの良い最大5倍録画のMPEG-4/AVC録画

 本機はMPEG-4/AVC録画用にViXS製のトランコードチップを採用している。録画時に3段階、ダビング時に10段階の画質を選択することが可能だ。もっとも低いビットレートは約4.8Mbpsで競合製品と比較すると録画可能時間は欲張っていないが、それでも2層BDメディアに約21時間40分のダビングが可能になるため、大きな欠点とはいえないだろう。なお、DVDへのMPEG-4/AVC記録(AVCREC)はサポートされていない。

 録画時にはHG/HX/HEの3モードが選択可能。このうち、HG/HXはデータ放送(最大約2Mbps)もそのまま記録する仕様となっており、映像と音声で利用するビットレートは約10Mbps、約6Mbpsとなっている。HEは約4.8Mbpsだが、データ放送の約2Mbpsが含まれないため、HXモードとのHDやBDへの録画可能時間の開きは結構大きい。ダビング時にはHEモードへの録画モードの変更(再エンコード)は利用できないため、BDメディアへの長時間保存する場合は画質とのバランスなども確認してHEモードを利用するか、それ以外の録画モードを利用するかを判断しておいたほうがいい。

 ちなみにダビングにはHD01〜10(数字の大きい方がビットレートは高い)が選択可能で、HD01は約6.8Mbpsなのでデータ放送分を差し引くとHEモードとビットレートはほぼ同じ。ただし、データ放送が入るぶん、BDメディアへの録画可能時間は短くなる。

 画質の比較は、パナソニック「DMR-BW930」ソニー「BDZ-X95」東芝「RD-X8」のレビューに準じる方法で行った。録画モードに関しては放送波をそのまま記録するTS録画(本機ではDRモード)とHG/HX/HEモード、また念のためHEモードと理屈の上では同じ画質のはずのHD01も加えてある。

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