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自分にピッタリのイヤフォンを選び出す――カナル型編バイヤーズガイド(4/6 ページ)

» 2008年11月27日 08時30分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

KH-C711(ケンウッド)

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製品特徴:11.5ミリ径のネオジウムマグネットドライバーを採用することで、パワフルかつ24kHzまでの広帯域再生を実現。また高剛性削り出しアルミニウム・ハウジングにより、不要な共振を低減したクリアなサウンドも持ち合わせている。コード長は1.2メートル。コード素材には絡みにくいエラストマーを採用している。

音の特徴:きっちりかっちりした、フォーカスが鮮明すぎるくらい生真面目な中高音と、ほどよく豊かな低音が絶妙なバランスを築き上げている。基本的にモニター系のサウンドであるため、どんなジャンルの曲もそつなくこなす。演奏にリアルさとダイレクト感を求めたいが痛々しい高音はイヤ、というワガママな人にはうってつけの1台。

音色傾向
解像度感 粗い ――○―― きめ細かい
帯域バランス メリハリ重視 ――○―― フラット
低音特性 迫力重視 ―○――― ノビ重視
高音特性 迫力重視 ―○――― ノビ重視

SE102-K(Shure)

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製品特徴:E2cの後継にあたる、Shure製品の中でもリーズナブルなエントリーモデル。本体はE2cと同じ円錐型エンクロージャーを採用しながらも、ダイナミック型ドライバーの改良やチューニングによって、更なる音質向上を図っている。本体ケーブルは約45センチ強と短いかわりに、91センチの延長ケーブルが付属。別売でウレタンフォームのイヤーパットや、iPhoneなどスマートフォン用のマイク+リモコンスイッチを内蔵した延長ケーブル(Music Phone Adapter)も用意されている。

音の特徴:先代のE2cに対して、格段のきめ細やかさと高再生帯域を獲得、より自然なサウンドを奏でるようになった。この価格帯としてはかなりハイレベルなパフォーマンスを誇るが、丁寧なサウンドになったため、力強さがやや薄まった印象を与えかねないのが残念。E2cからの買い換えよりも、これまでShure製品を使ったことのない人にお勧め。

音色傾向
解像度感 粗い ――○―― きめ細かい
帯域バランス メリハリ重視 ――○―― フラット
低音特性 迫力重視 ―○――― ノビ重視
高音特性 迫力重視 ――○―― ノビ重視

K321(AKG)

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製品特徴:マイクロフォンの老舗、AKGが新たに投入したしたカナル型イヤフォンのエントリーモデル。装着性の高いスリムなボディは、AKG独自の音響設計によって豊かな重低音を実現している。「CLOUD WHITE」と「SKY BLUE」、2色のカラーバリエーションを用意。

音の特徴:さすがAKGというべきか、エントリークラスであってもボーカルやメイン楽器の実在感、抜けの良さは健在。聞こえるべきパートがきちんと、しかも印象的に聞こえてくれるため、音楽の躍動感や楽しさが如実に伝わってくる。唯一の欠点としてキメの粗さが挙げられるが、通勤時など騒音レベルの高い場所ではあまり気にならないだろう。

音色傾向
解像度感 粗い ○―――― きめ細かい
帯域バランス メリハリ重視 ――○―― フラット
低音特性 迫力重視 ――○―― ノビ重視
高音特性 迫力重視 ――○―― ノビ重視

Metro.fi 200(Ultimate Ears)

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製品特徴:ダイナミック方式のシングルドライバを採用したfiシリーズのトップモデル。音響理論に基づいた新エンクロージャーによって優れた音質を獲得しつつ、より快適な装着性も実現している。iPhone用にハンズフリー通話を可能とする高感度小型マイクロフォンとマルチファンクションボタンを用意した「Metro.fi 200v」も用意されている。

音の特徴:帯域特性やワイドレンジさ、音色の確かさなど、実売1万円以下というカテゴリーの製品としては、随所で抜きんでた素性の良さを見せる。バランスも強弱のニュアンスも適切なため、期待以上の躍動感を感じ取ることができる。解像度やダイナミックレンジなど、価格からくる割り切りは確かにあるが、それを補ってあまりある魅力を持つ秀作といえる。

音色傾向
解像度感 粗い ――○―― きめ細かい
帯域バランス メリハリ重視 ―――○― フラット
低音特性 迫力重視 ―――○― ノビ重視
高音特性 迫力重視 ――○―― ノビ重視

SE-CLX7(パイオニア)

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製品特徴:高感度、高精細な再生を可能にする新開発のバランスド・アーマチュアドライバーを搭載。音楽の細部までをはっきりと聴き取れる、ゆがみの少ないクリアなサウンドを実現。同時に耳穴への密閉度を高める3次元形状フィッティング構造を採用。イヤフォンの外れにくさと高い遮音性を両立している。ノズル交換することで、自分好みの音質に変化させることができる点はユニーク。

音の特徴:パイオニアらしいというべきなのだろう、繊細な表現を得意とする明瞭(めいりょう)なサウンド。帯域バランスにわずかなクセがあり、高音にざらつきを感じるものの、丁寧で揺らぎのない中域がその印象を覆い隠してくれるため、音楽としての魅力は十分に引き出されている。聴く曲や音質の好みによって、多少好き嫌いが分かれるかもしれないが、ノズル交換によって多少の対応幅あり。

音色傾向
解像度感 粗い ――○―― きめ細かい
帯域バランス メリハリ重視 ――○―― フラット
低音特性 迫力重視 ――○―― ノビ重視
高音特性 迫力重視 ――○―― ノビ重視

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