冒頭で触れた通り、既存の録画機能付きテレビの中で唯一i.LINK(TS)端子を備えたのがPZR900シリーズだ。そこで最後に“ブルーレイDIGA”「DMR-BW930」とi.LINK接続して録画番組をコピーするところを見せてもらった。
操作は、メニューから「ダビング」を選び、ダビング先をDIGAにして実行するだけ。PZR900シリーズは「ダビング10」に対応しているため、地上デジタル放送を転送した場合はコピー可能残数が1つ減るだけでVIERAのHDDにも番組は残る。BSデジタルやCS110度の有料チャンネルはコピーワンスのためムーブになる。DIGAやCATV STBでおなじみの操作だ。PZR900シリーズが正式にサポートしているレコーダーは同社製品に限られているが、i.LINK端子さえ付いていれば過去の製品でも対応できるのは“枯れた技術”の大きなメリットだろう。
ただ、i.LINK伝送の難点は、再生時間と同じだけの時間がかかること。例えば、VIERAで録画した1時間番組をDIGAに移すなら1時間が必要で、さらに録画モードを変更した上でBDにダビングしたい、という場合には最短で2時間が必要になってしまう(AVC変換も等速)。つまり、BDに残したい番組であれば、録画予約時に録画先としてビエラリンク対応DIGAを指定したほうがはるかに効率的といえる。ダビング10の番組をi.LINK伝送するとDIGAにはコピーワンスの録画番組しかできないが、最初からDIGAで録画すればコピー9回+ムーブ1回になるという違いもある。
パナソニックもこうした点は十分に承知しており、「i.LINKはお好み録画で良い番組を見つけたときなどに使う、“保険”と考えてほしい」(山口氏)と話す。とはいえ、保険があるのとないのとではユーザーの安心感が大きく異なる。i.LINK端子が付いていること自体に意義があるというのも事実だろう。
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