ニュース
» 2008年12月10日 22時24分 UPDATE

ガラスと純金で作られた“最高品位ガラスCD”、1枚18万円で登場

ビクターエンタテインメントは、同社の音楽事業80周年記念企画の一環として、メモリーテックと共同開発した高品位CD「K2HD MASTERING+CRYSTAL」を発表した。

[ITmedia]
photo 「K2HD MASTERING+CRYSTAL」

 ビクターエンタテインメントは12月10日、同社の音楽事業80周年記念企画の一環として、メモリーテックと共同開発した高品位CD「K2HD MASTERING+CRYSTAL」を発表した。長年開発を進めてきた同社のマスタリング技術と、メモリーテックのガラス基板CDを組み合わせた「最高品位ガラスCD」。2009年4月22日に完全予約制/限定生産で3タイトルを発売する。

 ビクターのK2HD MASTERINGは、既存のCD規格に準拠しながら広帯域の表現を可能にするというマスタリングシステム。例えばCDフォーマットでは切り捨てられてしまう20kHz以上の高周波成分に対し、演算処理で“倍音”を作り出して表現する。さらに熟練のマスタリング・エンジニアが音楽ジャンルや音源に応じて最適化することで、本来なら44.1kHz/16bitのCDマスターに192kHz/24bitに相当する音楽情報を収めることができるという。

 一方のガラス基板CD「CRYSTAL DISC」は、もともとCDプレーヤーなどのピックアップを調整する検査用ディスクとして使われていた技術。一般的なCDに使われるポリカーボネート基板を高価な光学ガラスに置きかえ、反射膜にはアルミに代えて純金を使用している。

photophoto 通常のCDと再生電気信号(ジッター特性)を比較した結果。すべてのピット長でガラス基板のほうが優れている(左)。反射層は純金(右)

 ガラスはポリカーボネートに比べて平坦度が高く、温度や湿度の影響を受けにくいのが特徴。また光学的に均一で複屈折が「理論的にゼロ」のため、ノイズやジッターの少ない再生信号が得られるという。「ポリカーボネート基板は、レーザーが中で屈折してノイズを拾って(再生信号が)出てくるが、ガラスはそのまま通す。また樹脂素材と異なり“面振れ”や“反り”が生じず、経時変化もない。CDの基板として理想的な物理特性といえる」(メモリーテック常務執行役員技術総括の東良次氏)。

photophotophoto 物理特性の比較

 製造方法も一般的なCDとは異なる。CRYSTAL DISCでは、メタルスタンパーとガラス基板の間にP2(Photo Polymerization)樹脂と呼ばれる特殊な樹脂を充填。加圧・紫外線照射で硬化させることで、精度の高いピット転写を可能にした。その後、スパッタリングにより金の反射膜を作り、保護膜コートを施すという手順だ。

 ビクターエンタテインメントは、「K2HD MASTERING+CRYSTAL」によるアルバムCD3種を「Super Excellent Glass」シリーズとして2009年4月22日に発売する。タイトルは「村治佳織/アランフェス協奏曲」「フジ子・ヘミング/奇蹟のカンパネラ」「川井郁子/新世界」。いずれも完全予約制/限定生産で、価格は1タイトル18万円。同日から同社Webサイトなどを通じて予約を受け付けている。予約の締めきりは3月5日の予定だ。

photo 「村治佳織/アランフェス協奏曲」「フジ子・ヘミング/奇蹟のカンパネラ」「川井郁子/新世界」(写真は通常のCD)

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.