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デフォルメされた心地よさ――バンダイ「LITTLE JAMMER PRO.」魅惑の音楽トイ(後編)(2/2 ページ)

» 2008年12月24日 06時17分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 音質や動きにも着目しよう。LITTLE JAMMERシリーズは、PRO.になって16ビットのポリフォニックサウンドモジュールを採用し、6万5536階調のサウンドレゾリューションを持つ。今回バンドルされた専用カートリッジ「ライブ!アニバーサリーリミテッド」は、そのスペックを十分に生かしたリアルな音だ。従来のPRO.用カートリッジと比べてもリアリティーの面では一段上に聞こえる。なお、ジャマーそれぞれの奏でる音は台座部分のスピーカーから聞こえてくるため、配置を変更することで変わった印象になる点も面白い。

 一方の“動き”は、従来のPRO.シリーズと変わらない。しかし、改めて眺めてみると、単純ではあるが自然な動作に思わず感心させられる。例えば、ピアノプレーヤーは演奏するときに頭を上下させながら両手を鍵盤の上で動かすのだが、低域の音は左手、高域なら右手が動くといった懲りよう。ピアノの下を見ると、右足のつま先でリズムをとっていたりする。

photo 動画はデモ用データを使用

 ドラマーはさらに躍動的だ。上半身を左右に振りながら両手を上下させ、しかも手前にあるバスドラムまで大きく揺れる。実際に足は動いていないのに、まるでドラマーがペダルを強く踏み込んでいるように見えるあたり、おそらく音楽経験のある人のほうが感心するのではないだろうか。もちろん、演奏前のカウントや「サンキュー」などとセリフを言うときは首を動かすなどコミカルな動きも健在。ジャマーの動きに関しては、ぜひ動画で確認していただきたい。

広がるLITTLE JAMMERの世界

 LITTLE JAMMERシリーズを語る上で欠かせないのが、豊富に用意された楽曲ソフトだろう。今回取り上げたアニバーサリーリミテッドには、前述の限定カートリッジとPRO.シリーズ標準カートリッジが付属するが、PRO.シリーズ用の別売ROMカセットはすべて使用できる。また、コンコードレーベルとのコラボレーションによる新作カートリッジ「ライブ!マイルス・デイヴィス」「ライブ!ビル・エヴァンス」「ライブ!ソニー・ロリンズ」(それぞれ7曲入り、3150円)も新たにラインアップした(ライブ!ソニー・ロリンズは2009年1月発売)。

photophoto 2つのカートリッジが付属する(左)。オプションの「ディスプレイラック」や「SIGN LIGHT」で装飾したところ。写真は「LITTLE JAMMER meets KENWOOD STRIPE JACKETS」(右)

 そして、LITTLE JAMMERが長く愛されている理由の1つが豊富なオプション。ヴォーカリストやホーンセクションなど、後から追加できる“ゲストプレーヤー”をはじめ、ジャマーの演奏に光の演出をプラスする「ステージライト」やジャズバーの雰囲気を再現した「ディスプレイラック」など舞台装置も豊富だ。音に合わせて点滅するビルボードタイプのイルミネーション「SIGN LIGHT」などもあり、自分の好みにあわせてステージを作り上げることができる。

 もし自分が手に入れたら、60年代アメリカ風のステージから自作してやろう――LITTLE JAMMERは、忙しいサラリーマンをそんな気にさせてしまう趣味のアイテムなのだ。

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