戦いも後半戦に突入すると、日常の行動にも微妙な変化が見られるようになる。コンビニでマイバッグを出して「マイバッグアタック!」とか、歯みがきのときに磨いてる間は水を止めて「せっすいヘッドフルパワー!」とか、セールの服を試着して「ヤスカワコーデスパーク!」とか叫んでいるのだ(もちろん心の中で)。
おサイフセイバー内のドラマにも微妙な変化が見られる。浪費三姉妹がだんだん節約家に感化されてきたのだ。私の戦士レベルもついに星10個の最高レベルに到達した。
そしてついに、期限の1カ月を迎えた。目標節約額は達成。最後の収支を入力し終え、再起動したときに感動のハッピーエンディングが登場した。クソ生意気だった浪費家長女が「あなたはわたしのほんとうのともだちだわ」といい、戦士レッドと固く抱き合ったのだ(スーパーハッピーエンド、らしい)。節約の神から「しょくひせつやくマスター」の称号を与えられた。そして、戦士レッドはこれまで戦士マスクに覆われていた素顔を初めてみせるのだ。
しかし、これで戦いは終わりではない。また次の目標に向かって節約を始めるための設定画面が登場する。5戦士すべての節約をマスターすると現れるというなぞの戦士に会う日まで節約戦士の戦いは続くのだ。
決意も新たに振り向くと背後霊のようにS記者。
「ねー、この企画、“IT戦士”に続く戦士シリーズ第2弾としてレギュラー化する?」
「するわけないでしょ。人気が違うんだから」
「ちぇー」
「あ、ちゃんと節約できたんだよね。じゃ、4410円」
手を出すS記者。
「何、それ」
「おサイフセイバー代、まだもらってなかったからさ」
「……」
この瞬間、次回目標額は4410円の節約に決定した。新たな戦いの日がはじまろうとしている。戦え! 節約戦士おサイフセイバー!!
(完)
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