液晶は横に開いて回転する可動式のバリアングル液晶。アングルの自由度が増し、ハイアングル、ローアングルでの撮影も行いやすい。高倍率ズーム機は、子どもの運動会などのイベントで便利に使えるが、バリアングル液晶の搭載によって、人の頭の上から撮影する際にも威力を発揮する。
可動式液晶はいちいち開いたり閉じたりする必要があるのは確かに手間だが、いざというときの利便性は高い。普段は液晶を表にした状態で撮影し、アングルを変えるときに液晶を開いて回転させてもいいだろう。
全体の操作性はPowerShot SX10 ISとほぼ同様。背面には円形の十字キーと、その外周にコントローラーホイールを搭載。十字キーには上にMF、右にISO感度、下にドライブモード、右にマクロの各ボタンが配置されている。従来通り、十字キー中央はFUNC./SETボタンで、撮影中のFUNC./SETボタンで撮影メニューが表示され、画質やホワイトバランス、マイカラーなどを素早く設定できる。
操作の特徴はコントローラーホイール。同様にホイールを搭載するPowerShot G10と同様、シャッタースピードや絞り、露出補正、項目の選択など、さまざまな場面で利用される。
動きは滑らかで操作は快適だが、ちょっと気になるのがホイールの遊び。例えば絞りを変更したいときに回転させてもすぐは反応せず、感覚的には4分の1ぐらい回すとようやく数値が変わる。そのため、細かい数値変更が苦手。大きく数値を変更する際には勢いよく回せばいいのであまり問題にはならないが、露出を1/3EVだけ補正したい、といったときに気になる。
撮影はP/S/A/Mのマニュアル撮影が可能で、本格的な撮影にも対応できる。顔検出のフェイスキャッチテクノロジーや、半押しの間動いている顔にピントを合わせ続けるサーボAF、暗部を明るくする暗部補正などといった最近の同社製デジカメでは定番の機能を搭載しており、安心感がある。
明るい屋外での撮影では特に気にならなかったが、屋内などで多少暗い環境だと、望遠側のAFがやや弱い感じで、ピントが合わない場面が見られたのは残念。とはいえ、光学20倍ズーム、バリアングル液晶、高速連写、フルHD動画などの充実したスペックによって、どんなシーンでも、どんな使い方にも対応できる「万能カメラ」といってもいいかもしれない。特に望遠と動画を重視するユーザーはぜひ選択肢のひとつに加えてほしいカメラだ。
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