インタビュー
» 2009年01月20日 08時30分 UPDATE

2009 International CES:不況でも売れた――米ソニーにBDプレーヤーの現状を聞く (1/2)

世界同時不況の波がやってきたが、すべての製品が同時に売れなくなったわけではない。例えば、2008年に北米市場で大きく伸びた商品がBlu-ray Discプレーヤーだ。米ソニーの長尾和芳氏に話を聞いた。

[本田雅一,ITmedia]

 無事に開催を終えた「2009 International CES」だが、振り返ってみると会場の中は例年よりも30〜40%ほど来場者が少なめという印象だった。景気の冷え込みが原因というと簡単に聞こえるが、例えば製品の輸出入が専門の商社などに話を聞くと、CESに来たのに新しいビジネスを探す余裕がないという方が多かったようだ。

 とはいえ、好景気があれば不景気がやってくるのは当然のことで、その逆もまた真である。世界同時に不況の波がやってきたものの、すべての製品が同時に売れなくなったというわけではない。例えば、2008年に北米市場で大きく伸びた商品がBlu-ray Discプレーヤー(以下、BDプレーヤー)。昨年に続き、米Sony Electronics(以下、米ソニー)でBDプレーヤーのマーケティングと商品企画を担当する長尾和芳氏に話を聞いた。

――2008年後半で唯一の明るい話題がBlu-ray Disc市場の活性化だったようですね。メーカー側の視点で2008年を見ると、どのような状況だったのでしょう。

photo 米ソニーでBDプレーヤーのマーケティングと商品企画を担当する長尾和芳氏

長尾氏:フォーマット戦争の終結が予想より早かったこと、そして想定以上に急に動きが出始めたことで、北米でBDプレーヤーは一時的に供給不足になりましたが、夏には問題を解消しています。7月に「BDP-S350」を399ドルスタートで店頭に並べ、10月には7.1チャンネル出力とバックライトリモコン、フラッシュメモリ内蔵の「BDP-S550」(日本未発売)を499ドルで発売してラインアップ化。年末商戦にはそれぞれの価格を100ドル下げています。以前から望まれていた高級機に関しても、日本と同じように「BDP-S5000ES」(1999ドル)を供給し、市場からの要望に応じています。

 正確な市場規模を表すデータがないのですが、例えばBlu-ray Disc Asossiation(BDA)ではBD再生機器の実売台数として1000万台以上と発表しています。この中には「プレイステーション 3」やBDドライブ搭載PCが含まれているので、純粋な家電としてのプレーヤーは300万台を少し超えたぐらいだと思います。一方、BDソフトの売り上げが2800万枚といったところです。

 BDの場合、対象となる消費者がHDTVを持っている方に限定されます。この点で、すべてのテレビユーザーが対象だったDVDとは異なります。とはいえ、現時点で20%の家庭がHDTVオーナーです(北米の場合)。この割合は増える一方ですから、それにともなって自然に売れていくでしょう。売れ始めると価格も下がりますし、さらに普及が加速します。例えばブラックフライデーの期間中、もっとも低価格だったBDプレーヤーはマグナヴォックス(船井電機製)の128ドルでした。これに対してDVDプレーヤーの底値はだいたい15ドル。これだけの価格差があってもBDが伸びてきているのですから、来年は間違いなくBDがDVDの金額を超えるでしょうし、今年もほぼ均衡するところまで行くと思います。

-――市場が伸びた理由は、フォーマット統一以外にどんなものがあったのでしょう

長尾氏:今年前半は製品が不足していたこともありますが、フォーマット統一後にBD-Liveにも対応したフル機能のプレーヤーが登場しはじめたのが2008年後半です。年末商戦までには主要メーカーだけでなく、さまざまな企業がBDプレーヤー事業に参入し始めたことで、世の中へのBDの認知が広がったことが大きいと思います。また、BD-Liveを採用したタイトルが多数登場し、DVDとは異なるエンターテインメントだという意識が広がったこともありました。BD-Liveはソフトにもハードにも関係のあるところなので、相乗効果もありました。

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