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カシオ「EXILIM EX-Z400」で“あり得ない写真”を撮ろうレビュー(2/4 ページ)

» 2009年02月12日 11時28分 公開
[小山安博,ITmedia]

 同社Webサイトでは、「グリーティングカード」「絵と写真」「ドリーム」といったようなテーマが提案されており、どのような素材を組み合わせると、どのような作品を作れるか参考になる。動く(切り抜く)キャラクターのサイズが変えられないので、構図や動きにも工夫が必要だが、手軽に「作品を作る」楽しみが味わえる。

 ダイナミックフォトで作成した画像は、背面液晶からは簡易動画として閲覧できるが、PCに取り込むと背景の合成された20コマの連続写真として保存される。カメラ内のように動く画像として保存したい場合は、同社の提供するWebサービスを使う。

背景から切り抜いた簡易動画(クリックすると.MOVファイルを再生します)
「立ち上がる女の子」と別途撮影した「箱」を合成(クリックすると.MOVファイルを再生します)

 PCに保存した20コマの画像をアップロードし、合成するフレーム数や用途を選択していけば、各種動画ファイルとして書き出してくれる。携帯電話での再生に適する3GPP/3GPP2のほか、MPEG-1、MOV、FLV、MPEG-4、アニメーションGIFまでさまざまなファイル形式での書き出しが可能で、解像度を高解像度/標準/低解像度から選べばビットレートやサイズは自動調整してくれる(任意設定もある程度可能)。

 こうして作成した動画ファイルはダウンロードしてローカルに保存しておくこともできるし、サーバ上に残しておいて、ブログなどから参照させることもできる。ただし、サーバへ残した場合の保存期間は30日間で、それを過ぎると自動的に削除される。

 ただ、カメラ内で画像を合成していない場合、背景はプリセットされた単色背景しか選択できず、PC内に保存した背景を別途アップロードして合成することはできない。これはちょっと残念だ。

便利さを追求したカメラ機能

 カメラとしての機能も見てみよう。Z400は撮像素子に1/2.3型有効1,210万画素CCDを搭載する。ほかの同社ハイスピードカメラと異なるのはCMOSではなく、CCDを採用しているところ。CCDシフト方式の手ブレ補正機能も搭載する。

 レンズは焦点距離28〜112ミリ(35ミリ換算時)の光学4倍ズームレンズで、開放F値はF2.6〜F5.8。撮影可能範囲はレンズ先端から、通常約40センチ、マクロ時約10センチまで寄れる。

photo 光学4倍で28ミリの広角レンズを搭載していて使いやすい。もう少し最短撮影距離が短いと良かった
photo AFは中央1点、9点に加えて追尾AFを搭載。左右キーを押さないと1点AFとして動作する

 便利な機能としては被写体を追尾してAFを合わせる追尾AF機能がある。AFモードから「AFエリア:トラッキング」を選択し、十字キー左右を押すと、カメラが自動的に被写体を探し、ピント合わせを行ってくれる。

 被写体は人の顔だけでなく、おおむね画面の中央付近にある物体を被写体としてピントを合わせてくれる。その後はその被写体を追尾してAFを合わせ続けるので、撮影する際は半押しはせずに一気に押すとといい。

 しかも一度とらえた被写体は、画面外に出て戻ってきても再び追尾してくれる。どの程度被写体の特徴をとらえて追っているのか不明だが、動物や静物も追えるのでフォーカスロックがわりに使うことも可能だ。あまり過信はできないが、人の顔は結構的確にとらえ続けてくれた。

 すっかりデジカメの機能で一般的になったシーン認識機能も搭載しており、同社の場合は「オートベストショット」という名称。人物や風景、夜景、接写といった6つのシーンを自動認識し、それぞれに適した撮影設定を適用してくれる。人の顔を検出する顔検出機能も搭載。他メーカーの製品に比べると検出速度と精度がやや落ちる印象にあり、逆光時の認識も弱い感じだ。

photo オートベストショットでは、自動的にシーンを判別する。シーン認識の速度はほかのメーカーに比べるとちょっと遅めという印象。認識時の内部の動作音も多少気になった
photo 3種類から検出できるオートシャッター。敏感さを適切に調節すればなかなか使える機能

 笑顔・流し撮り・ブレを検出するオートシャッター機能も搭載する。オートシャッターは、あらかじめシャッターボタンを全押ししておき、検出された顔が笑顔になったら写真を撮るスマイルシャッターに加え、上下のブレがなく適切な流し撮りの場合、ブレが収まった場合にもシャッターが自動で切れる。

 顔検出機能を応用した「メイクアップモード」も搭載。本体上部の専用ボタンで動作し、撮影した顔の肌をなめらかに処理してくれる機能で、女性には受けそうだ。

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