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縦型スタイル継承、フルHD/60pに対応“Xacti”「DMX-HD2000」特集 春のフルHDビデオカメラ(3)(2/2 ページ)

» 2009年02月24日 09時54分 公開
[都築航一,ITmedia]
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顔認識を含めたオート機能も優秀で手軽に撮影できる

 使い勝手も前モデルを踏襲しており、本体を握る手の親指だけで主要な操作を行なえるのは便利。もちろん、撮影時は両手でカメラを支えるのがベターだが、撮影前の設定時に両手での操作を必ずしも必要としないのは大きい。

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 動画と静止画で撮影モードを切り替えることなく、背面に2つ並んだ大きなシャッターボタンから選ぶだけで撮影できるのも扱いやすいが、静止画と動画とで画角は大きく変わるので、ちゃんと狙って撮りたいのであれば、PHOTO VIEWボタンを使って画面表示を各モードに切り替えながら撮影するとよいだろう。

 付加的な機能としては、今回追加された10倍速、および以前から搭載されている4倍速の超高速度撮影が面白い。これは画質こそ落ちてしまうが、それぞれ1/10倍速、1/4倍速のスローモーション動画が撮れるというもの。肉眼では見られない映像を簡単に自分のものにできるのはかなり新鮮だ。

 ひとつだけ残念なのは、2.7型液晶モニターの画素数が約23万画素と控えめで、表示が粗いこと。とはいえ、フォーカスをはじめオートの機能は優秀で、最近のトレンドである顔認識機能を以前から備えていることもあり、被写体を画面の中央から外した構図にしても、きちんと被写体の顔にピントや明るさを合わせてくれる。

photophoto 2.7型液晶モニターの画素数は約23万画素。メニュー操作や被写体の確認には十分だが、せっかくフルHDの撮影ができるのだから、もう少し高精細なモニターが欲しいところだ

 今回は人物や風景などいくつかのシーンで撮影を試みたが、マニュアル操作のために画面を凝視する必要性は感じなかった。液晶モニターは、どの範囲が写るのかを確認する程度と考えて、どんどん撮っておくのが正しい使い方だろう。今回の特集取り上げた5モデルで唯一、記録メディアを内蔵していないので、予算の許す限り大容量のSD/SDHCメモリーカードを準備しておきたい。

PCでの再生を意識したメリハリの強い画

 撮影した動画を再生してみると、前述のように、最高画質時は再生のためのハードルが高い点に注意が必要だが、カメラの液晶モニターで見ていた画とはまったく印象の異なる、精細な映像にまず驚かされた。

 スナップ感覚で手軽に撮った映像がフルHD/60pで記録されるすごさは、動画から静止画を切り出した時にも感じられ、60p記録ならではのキレのよい画像が楽しめる。画づくりの傾向としては、PCでの再生時にちょうどよい色再現をめざしているようで、テレビで再生するとかなり濃い目の描写になる。なお、音声はAAC圧縮のステレオ収録で、圧縮がやや強めにかかっていると感じる部分もあるが、狙った被写体の音声はクリアに収録できた。

 Xacti DMX-HD2000は、どこへでも持って行きたくなるスタイルと、実際に様々なシーンで持ち歩ける携帯性の高いボディという、従来モデルの特徴はそのままに、さらなる高画質化を実現した1台だ。もはやスナップムービーには十分以上の画質を備えてしまった感すらあるが、フルHD動画撮影を日常の世界にまで広げてくれる意味で、他機種にない魅力を放っている。

photo 静止画最高画質(4000×3000ピクセル)
photo Full-HR:1920×1080ピクセル (60fps/24Mbps)よりのスクリーンショット。バックに噴水という情報量の多い画面だが、24Mbpsとビットレートが高いので、モデルの表情描写にも余裕がある。水滴がハッキリと表現されるのは本製品の特徴といえる
photo Full-HR:1920×1080ピクセル (60fps/24Mbps)よりのスクリーンショット。ライトアップされた街路樹というコントラストの高い被写体を意図的に配してみたが、手前の花にきちんとピントがあった
photo Full-HR:1920×1080ピクセル (60fps/24Mbps)よりのスクリーンショット。カメラを固定しての撮影だが、ふらつきもなくフォーカシングは良好だ
photo Full-HR:1920×1080ピクセル (60fps/24Mbps)よりのスクリーンショット。ホワイトバランスをオートにしての室内撮影だが、ややアンバーに転ぶ傾向があるようだ

モデル:TargetTVリポーター 駒谷仁美(こまたに ひとみ)

1988年12月16日生まれ。 サンミュージックブレーン所属

本人の公式ブログ「ひよこのひいちゃん」公開中。


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