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» 2009年03月03日 11時00分 UPDATE

特集 春のフルHDビデオカメラ(6):HDカメラの新たな可能性を開く1台 “ハンディカム”「HDR-XR520V」 (1/2)

撮像素子やレンズ、手ブレ補正まで含めたフルモデルチェンジを遂げた“ハンディカム”「HDR-XR520V」。この春一番とも評判の高い機種だが、そのデキはいかに。

[都築航一,ITmedia]
photo 「HDR-XR520V」

 今春のソニー「ハンディカム」シリーズは、記録メディアごとにカメラそのものの味付けを変えた「HDR-XR520V」「HDR-XR500V」「HDR-CX120」「HDR-XR100」という4モデルが投入されている。上位のモデルには長時間の連続記録が可能なHDDを採用する一方、内蔵メモリ搭載機は、さらなるコンパクト化を進めるという考え方だ。

 今回は240Gバイトという大容量のHDDを搭載したAVCHDカメラ「HDR-XR520V」を取り上げる。同社のコンパクトモデルの中ではフラッグシップとなる製品で、最高画質で29時間以上という膨大な映像を撮りためることが可能だ。なお、兄弟機として、HDD容量とカラーリング以外は共通の「HDR-XR500V」(120Gバイト/シルバー)もある。


裏面照射型CMOSで暗所画質を劇的に改善

 HDR-XR520Vは、昨年の同時期に発売された「HDR-SR12」(レビュー)の後継機にあたり、撮像素子やレンズといった基本的な部分から付加機能にいたるまで、全面的に見直しが図られた。とはいえ、今春モデルでは、ライバルもいっせいに基本スペックを一新してきたわけだが、HDR-XR520Vは従来のHDビデオカメラが苦手としてきた部分がことごとく改良されており、同社が「ハンディカム史上最強画質」とうたうのもうなずける。

 本体は高性能なカメラであることをあまり意識させない、おとなしいデザインで、側面に描かれた「G」のマークが唯一、画質の高さを主張する。これは同社のデジタル一眼レフカメラ用レンズでも高級モデルのみに名づけられる「Gレンズ」を搭載している証。

photophoto 一見するとおとなしめなデザインの“ハンディカム”「HDR-XR520V」。ファインダーの引き出しで電源がオンになるのは意外なほど便利
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 ハンディカムシリーズでおなじみのカールツァイスレンズではなく、自社の高級ブランドへと切り替えてきた形だ。家庭用ビデオカメラではきわめて珍しい虹彩絞りの採用とあわせ、他社製品と比較でもしてみない限り、レンズ性能の高さを実感できる場面は少ないかもしれないが、一眼レフデジカメと同じ高級ブランドの採用は、所有する喜びを与えてくれる。

 レンズだけにとどまらず、撮像素子の「Exmor CMOSセンサー」や映像処理エンジンの「BIONZ」といった、外見からは見えない部分も、デジタル一眼レフカメラと同じ名称がつけられている。ただし、XR520VとXR500Vに搭載されたCMOSセンサーは別格で、「裏面照射技術」という新開発のテクノロジーが盛り込まれた「Exmor R」を名乗る。

 通常のCMOSセンサーとは裏表を逆にしたような配置をとることで、明るさが低い時の画質を劇的に改善するという裏面照射技術は、これまで実用化が難しいとされてきたものだ。実際に夜景や夜の室内といった暗い場所で本製品を使ってみると、ノイズの少ないクリアな映像に驚かされる。「HDビデオカメラは暗所に弱い」と思っていたら(筆者もその1人だった)、そのイメージは本製品によって完全に覆されるハズだ。

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