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中身が大きく変わった“使って楽しいコンデジ”、リコー「CX1」(2/3 ページ)

» 2009年03月24日 12時17分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 「R」と「CX」を比べると、最大の相違点は撮像素子がCCDからCMOSに変更されたこと。CCDに比べて高速な画像の読み出しが可能なCMOSの利点を利用した新搭載機能が「マルチターゲットAF」と「ダイナミックレンジダブルショット」だ。

 前者の「マルチターゲットAF」は7カ所の異なる合焦ポイントを自動で検出し、それぞれにピントをあわせて10コマ/秒のスピードで7枚の画像を撮影する。花瓶の花や料理の皿など、至近距離でピントの合う範囲が狭い被写体については便利に使える。

 ただ、AFポイントは選択できないめ、背景を意図的にぼかしたいといった場合には不向き。その場合にはADJ.ボタンを利用してAF/AEをマニュアル設定した方がいいだろう。、マルチターゲットAFで撮影した画像は複数のJPEGファイルを1つにまとめた.MPO形式で保存されるため、JPEGとして保存するには、カメラ内もしくは付属ソフトでの操作が必要となる。

「マルチターゲットAF」で撮影した7枚の画像。液晶画面上での再生時には、それぞれの画像について、どこに合焦しているかがグリーンのフレームで表示される

 後者の「ダイナミックレンジダブルショット」は露出の異なる2枚の静止画を連続撮影し、それぞれの適正露出部分を合成することでダイナミックレンジを拡張する。処理は「強」4段階に切り替え可能なほか、処理画像と通常画像を同時記録することも可能だ。「撮影画像の合成」という手法を取るために撮影時間がやや長くなり、手ブレしやすくなるというデメリットもあるが、明暗差のある風景などを撮影するとその効果は高く感じられる。

 利用することで、通常では沈んでしまう建物の影や白トビしてしまう細部のディテールなどもしっかりと描写されるが、「強」「中」「弱」「微弱」と4段階効果のうち「強」にすると描写が不自然になることも。また、画像合成の影響か、通常撮影のものと比べると、色味などにも影響が出るケースも散見された。通常画像との同時記録はデフォルトではOFFなのだが、保険の意味も込め、ダイナミックレンジダブルショットを使う際には同時記録をONにすることをおすすめしたい。

photophoto ダイナミックレンジダブルショットを「強」で適用(写真=左)と非適用(写真=右)。右の白いバイクのタンクや後部バスケット部分のディテールに注目

 連写機能も強力だ。通常の連写でも約4コマ/秒が可能だが、画像サイズを限定することで約60コマ/秒の超高速連写(VGA限定、保存は.MPO形式)、約15コマ/秒のさかのぼり連写(2メガ限定、保存は.MPO形式)も行える。カシオ計算機の“HIGH SPEED EXILIM”シリーズほど強烈ではないが、動作も軽快、かつ、モードダイヤルには連写の項目も用意されており、使いやすい。

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