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» 2009年04月03日 12時30分 UPDATE

本田雅一のTV Style:液晶テレビ、今年はグレア化が急速に進む? (1/2)

不景気な話題が続くテレビ市場。今年は各社がさまざまな魅力的な機能をテレビに盛り込む“総力戦”となりそうだ。そうした中、画質面で注目したいのが液晶パネルの光沢仕上げ(グレア液晶)だ。

[本田雅一,ITmedia]

 しばらくお休みしていたこの連載だが、春の新製品シーズンを迎えてゆっくりと再開したい。とはいえ、パイオニアが「KURO」シリーズの生産終了を宣言するなど、不景気な話題がテレビ業界には続いていた(→パイオニア、プラズマテレビの生産を終了)。

photo パイオニア「KURO」シリーズは4月以降に現行機種を計3000台生産して終了となる。画質に対する評価の高さから、駆け込み需要が増加しているという

 ワールドワイドで見ると、販売台数そのものは大きく変化していないどころか、地域によっては伸びているという。しかし、円高の影響で日本メーカーの収入が目減りしたほか、流通が在庫を減らしたことで一時的にメーカーからの出荷量が減ったこと、全体に低価格な製品へと売れ筋がシフトしたことなど、さまざまな要因でテレビ市場の地図は大きく変化してきている。

 これまでは、世界のテレビ市場のトップはサムスン、2番手がソニーと2大メーカーが大きなシェアを占め、3番手以下を引き離していた。ところが、今年に入って台数ベースではソニーが大きくシェアを下げ、2位の座を明け渡す状況になっているという。

 今年に入ってからの出荷量を絞って価格や在庫レベルの調整を行っている可能性もあるため、必ずしもソニーが不調なのかどうかは分からない。しかし、LG電子が低価格戦略とともに、北米市場での魅力的なプロモーションプランを用意するなどの攻勢をかけて躍進しつつあり、東芝も北米でのシェアを伸ばしてきている。テレビ市場の勢力地図が大きく動きそうな気配だ。

ノングレアではパネルの性能を生かせない

 こうした中、各社は停滞することなく、今年はさまざまな魅力的な機能をテレビに盛り込む総力戦となりそうだ。無論、完成度を高める必要はあるが、アイデアを出し惜しみしている状況でもない。ややリスクを冒してでも、差異化を求める方向で今年の新製品は変化していくだろう。

 例えば、非常にベーシックな部分ではあるが、液晶テレビのグレア(光沢仕上げ)化が今年は急速に進むと見ている。ノートPCのグレアパネルが嫌いという人は、テレビがグレア仕上げになることを好まないという人もいるかもしれない。しかし、ノートPCでは弊害も少なくないグレア仕上げも、テレビの場合、利点の方が大きい。適切な仕上げが施されているなら、グレアの方が圧倒的に画質は良くなる。

photo 現在、グレア液晶を採用しているのは、三菱電機のREAL「LF2000シリーズ」など

 すりガラスのような処理が施されたノングレア仕上げは、皆さんご存知のように、光を拡散させることで映り込み像をボカし、強い光源を目立ちにくくする表面仕上げだ。しかし、この仕上げには大きく2つの問題がある。

 まず自分自身が出す光も若干ながら拡散してしまうため、シャープさやコントラスト感が犠牲になりやすく、色純度も下がったように見えてしまう。さらに外光を拡散するため、例えば天井からの灯りが直接画面に映り込む状況になくとも、拡散されて目の中に飛び込んでくる。直接反射した像が見えるわけではないものの、コントラストの低下を招いてしまう。

 このため、ノングレア処理を施していた液晶テレビも、ここ数年はハーフグレアと呼ばれる、光の拡散度合いを控えめにした仕上げが流行していた。液晶パネルのコントラストが向上したことで、ノングレアではパネルの性能を生かせなくなってきたからだ。

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