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最高峰のサインは“X”――ウォークマン「NW-X1000」シリーズインタビュー(2/2 ページ)

» 2009年05月20日 11時15分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 NW-X1000シリーズについては、購入者から音の良さを称賛する声を聞くことが多い。フルデジタルアンプ「S-Master」の搭載によるものか、分解能の高い、非常にクリアなサウンドが特徴となっている。このキレの良さはこれまでのシリーズ製品からは感じられなかったものだ。その音づくりの基本コンセプトは、「原音に忠実」だと大橋氏は言う。

 S-Masterといえば、同社AVアンプ「TA-DA9100ES」などに採用されているフルデジタルアンプ(「TA-DA9100ES」で搭載されているのは「S-Master PRO」)。アナログアンプではDSPを経由した後にアナログ信号にD/A変換され、アナログパワーアンプで増幅などを行うが、S-Masterは入力された信号をデジタルのまま増幅を行う。そのため、あいまなひずみがない、クリアなサウンドを期待できる。

photo オーディオ部分全般を担当した ネットワーク&サービスグループ ニューモバイル部門 2部3課 沢本明男氏

 このS-Masterをポータブル製品として初めて搭載したのが、NW-X1000シリーズとなる。「NW-X1000シリーズで搭載したS-Masterの構成は、AVアンプなどに採用されているものとまったく同じで、実装に際して低消費電力化を図ったのが特徴といえます。ポータブル製品での搭載は初めてですが、音づくりの観点から言えば、“よい特性かつ、よい音”を目指しました」(沢木氏)

 本製品にはデジタルノイズキャンセルが搭載されており、そのため、付属イヤフォンにも集音用のマイクが搭載されている。ただ、音響設計の段階から「基本的な特性の良さ」を重視して作り出したため、好みのイヤフォン/ヘッドフォンを組み合わせれば、その特性に応じた音が楽しめるという。

 「付属イヤフォンに適した音づくりは確かにしていますが、16ミリ径ドライバを搭載するMDR-EX700SLならば低域まで響く迫力のある音、MDR-EX90SLならば女性ボーカルのような豊かな中域を楽しめると思います」(沢木氏)

MP3&DAPに失望しているひとに

 多機能なうえ、メインメニュー画面の下にアイコン2つ分のスペースが空いているので、将来的にはネットを介したアプリケーションの追加なども行われるかと想像してしまうが、「PDAではないので、ユーザーが好きなアプリケーションを入れるような使い方は想定していません」(大橋氏)という。

 その大橋氏が強調するのが、技術/スペックありきの製品ではないということ。「最新技術を詰め込みました。はいどうぞ。ではなくて、画質や音質、操作性といった部分から、曲名やアーティスト名などをキーにネット/YouTube検索が行える“おまかせリンク”までも含め、新たな体験をして欲しいのです」

 また中井氏は「MP3など圧縮音源とデジタルオーディオプレーヤーに失望しているひと、それに毎日忙しいひとこそ、手にして欲しい」という。「いい音で聴きたい、きれいな絵で見たいという気持ちはみんなあるはずです。ノイズキャンセルとS-Masterのおかげもあって、通勤電車のなかでもいい音を楽しめます。有機ELでワンセグの録画/視聴もできますから、毎日忙しい人にこそ使って欲しいですね」

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