写真表現の面白さに「露出のコントロール」がある。絞りを開いて思いきりボカしてみたり、絞り込んで広い範囲にピントを合わせてみたり、シャッタースピードを速くしてみたり遅くしてみたり。コンパクトデジカメだと設定できる範囲も狭いけれども、一眼レフならその気になれば結構遊べるのだ。
今回は「スローシャッター」で遊んでみる。
スローシャッターといえばまずは夜景。
こんな写真を撮ってみるわけだ。
これは望遠レンズを使い、15秒のシャッタースピードで撮った夜景。空に見えている光の軌跡は、羽田空港を飛び立った旅客機のものだ。15秒もかけたおかげでこんな軌跡を撮れるのである。
では長時間露光夜景の基本。
欠かせないのはもちろん三脚。できれば、ちょっと値がはるかもしれないけれど、重くて頑丈なものがいい。何秒もの間シャッターを開き続けるので、ほんのちょっとの振動や風でブレが映り込んでしまう。それはよくない。
特に望遠でスローシャッターするときは要注意ということで、気合を入れて撮るときは重めの三脚をしっかりセットし、できればあまり高くあげない。高く伸ばせば伸ばすほどブレやすくなるから。本当に三脚は製品によって安定性が違う。持ち歩くには軽い方がいいので悩ましいところだけど。
シャッターを指で押すときにカメラが揺れることも考慮して、できればレリーズやリモコンを、ないときは「2秒のセルフタイマー」を使うのがおすすめだ。そして、カメラやレンズの手ブレ補正はできるだけオフにする。三脚使用時はオフにした方がいい。
大きくプリントしたりしないのならそこまで気にしなくてもいいけれども、よりクオリティを追求したいなら、だ。
露出はマニュアルで。全部自分でセットする。
まずはISO感度と絞り。ISO100〜200でF8が基本的。
でも上の写真はISO200/F5.8 15秒で撮った。ISO100に落とすと旅客機の明かりがあまりきれいにでなかったから。まあその辺はケースバイケースで。
一般にデジタル一眼レフで撮る場合、F8くらいが一番シャープに写る。極端な例だとこんな感じ。
上の2枚はいずれも「50mm F1.4」のレンズをつけて撮ってみたもの。ライトの写り方が全然違う。単純にレンズは明るい方がシャッタースピードを上げなくて済む、と思うと、こんなことになる。絞り込んだ方が、光点がシャープに星のようにきれいに写ってる。レンズによりけりだが、ある程度絞るのがよい。
もっと絞り込んだらどうかというと、実は絞り込みすぎると逆にシャープさが失われる。「光の回折現象」によるんだけど、詳しい話は割愛。よーく見ると違う、というくらいなんだけど、クオリティを気にするならF8くらいがバランスがいい。
拡大してみてみると分かる(以下の写真は夜景の一部を拡大したもの)。
まあそれをどこまで気にするかはケースバイケースなんだけど。
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