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ニコン初のフリーアングル液晶付きデジタル一眼――「D5000」レビュー(2/4 ページ)

» 2009年06月02日 08時30分 公開
[鈴木吾郎,ITmedia]
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秒4コマ連写と心地よい操作感

 ファインダーによる通常撮影での操作感は、スピーディで快適だ。起動やレリーズタイムラグ、AFスピードにストレスはなく、心地よい撮影ができる。レリーズ時の音と振動が比較的小さいのも好印象だ。また、秒間4コマの連写は、D90の秒間4.5コマには及ばないものの、エントリー機としては高速の部類に入る。ファインダーは、視野率95%で倍率0.78倍のペンタミラー式を採用。特に広視野とはいえないが、実用十分の視認性がある。

 撮影モードは、オートからマニュアルまでの13モードをダイヤル操作で選択でき、ダイヤルを「SCENE」の位置に合わせると、さらに13種類のシーンモードを選べる。シーンには、明るめの露出で撮れる「ハイキー」や暗めで撮れる「ローキー」、植物撮影に適した「桜」や「紅葉」など、従来機にはなかった新シーンが追加されている。

 各種機能の操作性については、最近の同社エントリー製品と共通のものを採用する。すなわち、グリップ部のコマンドダイヤルで絞りやシャッター速度の選択を行い、上部の露出補正ボタンを併用することで、露出補正ができる。また、背面のマルチセレクターでは、11点のAF測距点のダイレクト選択や、再生時のコマ送り、メニュー選択などが行える。

photophoto モードダイヤルを回すと、液晶上のダイヤルのイラストも回転する(写真=左)、シーンモードの選択メニュー(写真=右)
photophoto シャッターボタンの後ろに、露出補正ボタンとインフォ画面を表示するためのinfoボタンを装備する(写真=左)、撮影メニューでは、自動ゆがみ補正や色空間、ノイズ低減などの設定ができる(写真=右)

 感度やホワイトバランス、レリーズモード、記録画素数などを変更する場合は、背面左下の「インフォ設定ボタン」を押してから、液晶画面を見ながらマルチセレクターとOKボタンを使って設定する。中級機以上とは異なり、これらの設定をダイレクトに変更できない点は中級ユーザー以上には少々まどろっこいが、ビギナーにはむしろ分かりやすいのかもしれない。

photo 白とびや黒つぶれを抑える「アクティブD-ライティング」の設定画面

 一方で、MENUボタンを押して表示されるメニュー画面の内容は非常に多彩で、カメラの状態や撮影設定を細かくカスタマイズできる。たとえば、暗所でISO感度が自動アップする「感度自動制御」や、自動制御が働くシャッター速度の限界値や感度の上限を設定できたり、レンズゆがみの自動補正、ファインダー内の格子線表示、Fnボタンへの機能の割り当て、コマンドダイヤルの回転方向などを設定できる。

 これらの詳細設定は、取扱説明書を読まない限り、初めてのニコンユーザーにとっては戸惑う部分もあるだろう。ただ、もちろんデフォルトのままで使っても特に問題はないので、少しずつ把握していけばいい。まったくビギナー向けというよりは、初級から中級へとステップアップしたい人に適した懐の深さといえる。

静音モードやハイビジョン動画モードに対応

 ユニークな撮影機能として、レリーズモードのひとつとして「静音撮影モード」に新対応した。これは、撮影時のミラー駆動やシャッターチャージの動作を遅くした上で、レリーズした後、指を離すまではミラー駆動などの次の動作を行わないようにする仕掛けだ。通常モードに比べて、撮影時の駆動音が小さくなり、音が気になるシーンで役立つ。

 また、カメラ内で画像を編集する機能が豊富にそろっている。従来機から継承した、暗部を明るく補正する「D-ライティング」や赤目補正、モノトーン、ファイルター効果、カラーカスタマイズ、画像合成のほか、被写体の輪郭を抽出して線画風に変換する「塗り絵」や、遠近感による歪みを補正する「アオリ効果」などが用意される。効果は作例を見て欲しい。

photophoto レリーズモードを「Q」にすると静音撮影モードになる(写真=左)、充実した画像編集メニュー。2枚のRAW画像の合成や、カメラ内RAW現像も可能(写真=右)
photophoto 静止画をつないで動画をつくるストップモーション作成機能もある(写真=左)、動画の画像サイズは3段階から選べる(写真=右)

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