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合体分離する“フリースタイル”ウォークマン「NWD-W202」を試すレビュー(2/2 ページ)

» 2009年06月10日 08時30分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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SonicStageは本体メモリに内蔵

 転送についてはSonicStage V(ROMで提供されるのではなく、本体メモリに含まれている。誤って削除した場合にはダウンロードで入手できる)のほか、ドラッグ&ドロップで本体メモリの「MUSIC」フォルダへ転送することでも行える。階層構造も8階層まで認識されるが、楽曲やフォルダ名でのソートには対応せず、アルファベット順の再生となる。

photophoto 「SonicStage V」(写真=左)、ドラッグ&ドロップでの転送にも対応する(写真=右)

 ドラッグ&ドロップで転送すると、12音解析が無効となるためZAPPINが利用できない、転送したファイル/フォルダがSonicStageから認識できないというデメリットもあるが、SonicStageをインストールしたくない、転送にかける時間を少しでも短縮したいというユーザにはありがたいだろう。

 本製品が再生可能なファイル形式は、MP3/WMA/ATRAC/リニアPCM/AACの5種類だが、DRM処理されたファイルはSonicStageを介しての転送でも再生できない。試しに本製品をUSB接続した状態でWindows Media Playerを起動してみたところ、転送先機器として認識され転送も行えたが、DRM処理されたWMAファイルを転送することはできなかった。

「フリースタイル」の新提案――課題はDRM

photo moraで購入した楽曲を転送しようと試みたところ、「転送または削除できないコンテンツがありました」とエラーメッセージが表示された

 本製品は2Gバイトのメモリを搭載しており、直販サイト「ソニースタイル」での販売価格は9980円。価格帯からすればエントリー機に分類され、ウォークマンのシリーズ中ではスティックタイプの「NW-E040」シリーズの4Gバイトモデル「NW-E043」(同9980円)と同レンジとなる。

 ただ、装着スタイルやイヤフォン交換非対応、ドラッグ&ドロップ対応などの特徴からすればNW-E040シリーズの後継ではなく、新たな提案を行う「フリースタイル」(同社)の新シリーズとして認識した方が良さそうだ。音声ガイダンス機能「ZAPPIN」も興味深く、その他のウォークマンシリーズに実装されても面白そうだ。

 他社製品と価格帯で比較すると、iPod shuffle(直販価格 8800円)がライバルに浮上する。メモリ容量の違い(本製品は2Gバイト、iPod shuffleは4Gバイト)こそあれ、高い携帯性や音声ガイド機能、イヤフォン交換非対応といった特徴も共通する。

 2製品の最も大きな違いはDRMについてで、iPod shuffleがiTunes Storeで購入したDRM付きAACの再生にも対応する一方、本製品は添付ソフトを経由して「mora」で購入したDRM付きATRACの楽曲が再生できない。ドラッグ&ドロップでの転送に限りダメという訳ではなく、専用ソフトを用いてもダメというこの仕様については首をかしげざるを得ない。SonicStageをメインのライブラリソフトとして使っているひとにとっては、優しくない仕様だ。

 それでも、“フリースタイル”という新提案を行う製品であることにかわりはなく、視界にケーブルを入れることなく音楽を楽しめるのは理屈抜きに快適だ。次製品ではメモリ容量の増大と同時に、DRMへの対応がなされることを願う。

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