BRAVIAの基本GUIは、おなじみの「XMB」(クロスメディアバー)だが、設定切り替えなどの操作に複数の方法が用意されているため、XMBに慣れていない人でも問題なく利用できる。とくにリモコンの「オプション」ボタンは、いわばPCの“右クリック”のようなもの。そのとき表示されている画面で“できること”をリストアップしてくれる。
ユーザーインタフェースの中で気に入ったのは、ショートカットとして利用できる「お気に入り機能」。テレビのチャンネルや外部入力端子、写真や楽曲のファイルあるいはフォルダなどを登録(下表を参照)しておけば、ボタン1つで呼び出せる。登録方法は簡単。好きなチャンネルを視聴中にリモコンの「オプション」ボタンを押し、メニューから「登録」を選択するとアイコンが追加される(別途設定メニューもある)。
登録できるもの | 件数 |
---|---|
チャンネル | 120件 |
外部入力 | 外部入力端子9件 HDMIリンクに対応した機器13件 |
フォト | 15件 |
ミュージック | 15件 |
VIERAの「らくらくアイコン」に似た外観とコンセプトを持っているが、VIERAが特定の機能を集めたアプリケーションランチャーのようなものであるのに対し、こちらは外部入力や個別のファイルといったコンテンツが対象で、むしろWebブラウザのブックマークに近い。視聴したチャンネルなどの履歴を残すことができるのもブラウザライクといえそうだ。ちなみに音楽ファイルを選択すると再生、フォトフォルダを選択するとスライドショーが始まる。
BSデジタルやCS110度デジタルなど、地上波以外の放送局を見る機会も増えているが、お気に入りのチャンネルというのは自然と絞られてくるものだ。放送波切り替えやEPGの操作などを省略して簡単に好きなチャンネルを呼び出せると、テレビの動作まで軽快になった気がする。
「シーンセレクト」は、視聴中のコンテンツに合わせて画質と音質の設定を一括変更する機能だ。一見、良くある機能のようだが、全自動の「オート」設定が用意されているところがミソ。オートにしておくと、テレビがEPGの番組情報から番組ジャンルを参照し、画質や音質を勝手に切り替えてくれる。シーンセレクトは画面を呼び出して明示的に選択することもできるが、専用ボタンがリモコンのカバー内に収められていることからも分かるように、オートによる運用をメインに考えられている。
実際、テレビに多くの画質設定が用意されていても、ひんぱんに映像モードを切り替えるという人はごく一部だ。多くのユーザーはデフォルト設定のまま使い続け、そのテレビの実力を知らずに過ごしている。そんな“もったいない”状況を解消する意味で、シーンセレクトは有効なアプローチだと思う。
ただし、BRAVIAの場合はテレビの置かれた環境(明かりの色など)を見ているわけではないため、東芝REGZAや日立製作所のWoooが採用している画質自動調整機能とは切り離して考える必要がある。あくまでもコンテンツに適したプリセットの画質と音質の設定を自動的にセレクトするだけだ。テレビの画質には周囲の環境も大きな影響を及ぼすのは事実なので、やはり画質自動調整機能への発展も期待したい。
BRAVIAは以前からネットワーク機能が充実しているが、W5/F5では大きなトピックが2つある。まず、DLNAの「ソニールームリンク」でMPEG-4 AVC録画(AVCHD形式)の番組もネットワーク越しに視聴できるようになったこと。サーバとなるBDレコーダーは、AVC録画機能の付いた2007年秋モデル(BDZ-X90などの世代)以降が対応している。
もう1つは、前述のおき楽リモコンを使って、「アクトビラ」有料コンテンツの電子マネー決済が行えるようになったこと。リモコンの下部にあるFelicaリーダーにEdyカードや携帯電話をかざし、リモコンの「Felica」ボタンを押すと、おなじみの「シャリーン」という音がテレビのスピーカーから聞こえて決済が完了する(→テレビで「シャリーン」の使い方――BRAVIA「W5/F5シリーズ」)。
このほかにも、テレビ用ウィジェットサービス「アプリキャスト」、携帯電話からメッセージ付きの写真を送信できる「<ブラビア>ポストカード」など、多彩なネットワーク機能を持つKDL-40F5。アプリキャストでは、すでに100を超えるアプリが使えるようになっている(6月末時点で108個)。さらにスタイリッシュな外観と4倍速液晶パネルを組み合わせ、操作性を向上させる新機能。こだわりのユーザーからファミリー層まで、幅広く受け入れられるテレビになった。
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