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液晶のイメージを覆す表現力、REGZA「42Z8000」を試す人気の薄型テレビ3機種レビュー(2/3 ページ)

» 2009年08月25日 03時27分 公開
[ 野村ケンジ, 芹澤隆徳,ITmedia]
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 例えば、テレビの番組表で検索から録画予約まで一元管理できるし、録画予約/再生に関係する操作もテレビのリモコンですべてまかなえる。そしてZシリーズの場合、市販のHDDを購入してくるだけで録画容量を増やすことができる。レコーダーのような長時間録画(AVC記録)はできないものの、外付けHDDの市販価格を考えれば、コストパフォーマンスの高さはまだ失われていない。

 ただし、冒頭で触れたようにいくつかの制約も承知しておきたい。まず、保存しておきたい番組をBD化しにくい(i.LINK接続により、VARDIAを介して他社製BDレコーダーまでムーブするという手はあるが、すべて等速ムーブかつ初期コストもかさむ)。また、録画時にはハードウェアにひもづけられた暗号化が行われるため、将来的にテレビを買い替えた場合、同じREGZAであっても再生できなくなる。基本的に“見たら消す”番組だけを録画するという、割り切りが必要だ。

photophoto リモコンは、BSデジタル放送局をダイレクトに指定できるボタン付き。入力切り替えは上下ボタンでトグル式動作、もしくはGUIを呼び出して指定することになる
photophoto 使っていない入力端子をスキップしたり、表示名を「DVD」「レコーダー」などに変更できたりと利便性は高い。でも、プリセットに“BD”はなかった
photophotophoto フルHD解像度を生かした番組表(左)。日付指定ですぐにその日時の番組表へ移行できる(中)。緑ボタンで検索画面を呼び出すと、フリーワード検索や、フリーワードと番組記号(新番組の「新」など)の組み合わせなどで番組を探すことができる。番組記号には「Bチャンネルステレオ」なども用意されていた(右)

InstaPortの効果

 REGZAでは、春に発表された「C8000シリーズ」以降の機種に米Silicon ImageのInstaPort技術を採用している。これは、各HDMIポートに接続した機器との間で、電源投入後にあらかじめHDCP認証を行っておくことで、入力切替にかかる時間を短縮するというもの(→HDMIの“切替”を速くする「InstaPort」とは?)。

 まず、ソニーの「プレイステーション3」(以下PS3)を接続して、ストップウォッチ片手に切り替え時間を測ってみた。ほかの2機種と同条件で比べてみたところ、デジタル放送からPS3への切替、およびほかのHDMI端子からPS3への切替の両方で、いずれも3〜4秒程度。体感できるほどの差は出なかった。

 ただし、編集部にあったデノンの少し古いDVDプレーヤー「DVD-1920」への切替では、ほかの2機種で8〜9秒ほどかかった切替時間が、Z8000では3秒程度まで短縮された。DVD-1920はHDMIが普及しはじめた2005年にリリースされたもので、HDMIのバージョンは1.1。古めのHDMI機器でも切替が早くなるのはありがたい。というか、むしろ古いほうがその効果を感じられるようだ。

photo HDMIフォーマット詳細表示

 HDMI関係では、新機能のHDMIフォーマット詳細表示も面白い。こちらは、現在HDMIから入力されている信号を識別して画面に表示するというもの。解像度やアスペクト比はいうに及ばず、色深度や色空間、RGB/YUVの区別、クロマフォーマットといった細かい部分まで表示してくれる。最近では、レコーダーやAVアンプなどにもさまざまな高画質処理回路が搭載され、AVシステムのどこでアップコンバートをかけると好みの画質で視聴できるのか、迷っている人もいるはず。この機能を活用して、積極的に自分のシステムを分析/カスタマイズしてみてはいかがだろう。

 このほかにもDLNAやアクトビラ、「テレビ版Yahoo!Japan」、「ひかりTV」のチューナー機能など、さまざまな機能を持つREGZA Z8000シリーズ。定評のある映像エンジン「メタブレイン・プレミアム」や新しい倍速技術「Wスキャン倍速」、アップコンバート済み信号にも適用できるようになった超解像処理「レゾリューションプラス2」など、画質面でも見るべき部分は多い。すべてに触れていると誌面がいくらあっても足りないので今回は割愛させていただくが、画質設定からネットサービスまで、とにかくアクティブにテレビを活用したい人にはうってつけの製品といえる。

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