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» 2009年08月25日 23時50分 UPDATE

人気の薄型テレビ3機種レビュー番外編:LEDバックライトでどう変わる? 東芝「55ZX8000」 (1/3)

各社の売れ筋40V型クラスを紹介してきた今回の特集。最後に番外編として、フラグシップモデルの55V型を取り上げる。1クラス上の実力を持ち、価格も相応に高くなるが、具体的に何が変わるのだろう。

[野村ケンジ,ITmedia]

 東芝“REGZA”の「ZX8000」シリーズは、この6月に発売されたREGZAの最上級モデル。薄型ディスプレイの最新トレンドとして注目されるLEDバックライトを搭載した新世代の製品であり、同じ“Z”を冠してはいても、ほかの2ライン(Z8000/ZH8000シリーズ)とは一線を画している。今回は特集の番外編として、1クラス上の製品にフォーカスをあてよう。

photo 東芝REGZAのフラグシップモデル「55ZX8000」

 ZX8000では、他社製品のようにRGB(赤・緑・青)のLEDバックライトではなく、白色LEDを採用しているのが特徴だ。これは単純にコスト面を考えただけではなく、色表現に関しても“ねらい”があるように思う。

 というのは、一般的に白色LEDは「色のダイナミックレンジが乏しい」といわれているが、ZX8000シリーズの映像を見る限り、そのような印象は全く感じられず、画面を分割してエリアごとに発光レベルを変えられるLEDならではのメリットを生かして、これまでになかった豊かな映像表現を実現しているからだ。

 これは、東芝製映像エンジンの最新モデル「メタブレイン・プレミアム」の存在が大きいように思う。「もともと自信のある映像表現が、エリア調光を得てダイナミックさを獲得、さらなる表現の幅を獲得した」というのが、ZX8000シリーズを端的に表現する言葉として相応しい。

 詳細は後半の試聴テストで報告するとして、まずは映像表現にまつわるテクノロジーと、それによって獲得した主なアドバンテージについて紹介していこう。

 映像表現に関して、中心となっているのは前述のメタブレイン・プレミアムである。こちらは、2004年の「メタブレイン」から数えて第5世代にあたるもので、階調や質感、色彩表現にさらなる磨きをかけた。さらに、素早い動画をスムーズに表示する「Wスキャン倍速」や超解像技術「レゾリューションプラス2」、LEDバックライトのエリア分割調光をコントロールする「LEDバックライトコントロールシステム」、それらを視聴環境や映像の特徴によって統合的に自動コントロールする「おまかせドンピシャ高画質・プロ」などの新機能が追加されている。

photophoto 映像メニューは部屋の環境や映像コンテンツの傾向によって自動最適化を行ってくれる「おまかせ」のほか、「映画プロ」「テレビプロ」など8タイプ+1カスタムメモリーを用意(左)。映像設定メニューには、カラーイメージコントロールやノイズリダクションのほか、LEDエリアコントロールやWスキャン倍速のオンオフ、色温度、ガンマ特性まで用意されている(右)
photophoto オートファインシネマの設定として、5-5フィルムモードとスムーズモードが用意されている。撮像ボケが多いコンテンツなどでは、スムーズモードが威力を発揮する(左)。ヒストグラムなどのグラフが表示されることには思わず心をくすぐられる。うれしい機能だ(右)

 新機能のうち、やはり注目はLEDバックライトだろう。一般的な液晶パネルは、蛍光管の光を透過して画面を表示するシステムのため、どうしても“黒浮き”という現象がつきまとう。それに対してLEDバックライトは、暗い部分はバックライトを消すことで、黒を黒としてきちんと表示できるようになった。しかも、点照明であるため、多エリアの光源コントロールが可能だ(ローカルディミング)。

 先代からさらに進化した超解像技術レゾリューションプラス2も注目だ。1440×1080ピクセルの地上デジタル放送やDVDビデオなどのSD映像に加えて、プレーヤー側でアップコンバート済みのHDMI入力映像にも対応。ソフトに合わせて接続機器の出力設定を変えることなく、手軽に美しい映像を楽しめるようになった。

 「Wスキャン倍速」は、コマ数を通常の2倍にする120Hz表示に、黒挿入を掛け合わせたユニークなシステム。これは下位モデルのZ8000にも採用されているが、LEDバックライトを採用するZX8000シリーズのそれは、ひと味もふた味も違う。蛍光感とは異なる細やかな黒挿入によって、動画ボケや残像など、液晶パネルならではの弱点をさらに低減している。

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