インタビュー
» 2009年09月08日 08時30分 UPDATE

永山昌克インタビュー連載:こだわりのカメラブランド――リコー「GR DIGITAL III」開発者に聞く (1/3)

マニアに人気の高級コンパクトデジカメ「GR DIGITAL」シリーズには、ズーム機構も、手ブレ補正も顔認識もシーン認識もHD動画もない。そんなシンプルでストイックなデジカメの魅力を探ってみよう。

[永山昌克,ITmedia]

男女の区別を意識しない商品コンセプト

 リコー「GR DIGITAL」シリーズは、広角単焦点レンズを搭載したコンパクトデジカメだ。2005年に初代「GR DIGITAL」、2007年に2代目「GR DIGITAL II」、そして今年8月に3代目「GR DIGITAL III」を発売。画質と携帯性にこだわり、あえてズームができない単焦点レンズを一貫して採用し、素っ気ないくらいシンプルな薄型軽量デザインを続けることで、写真愛好家層を中心に根強いGRファンを獲得している。移り変わりの激しいデジカメの世界で、“ブランド”を築いている希少な存在といってもいい。

photophoto リコー「GR DIGITAL III」と開発者の方々。前列左から大野武英氏、刈間毅氏。後列左から中平寿昭氏、樋口博之氏、橋本徹也氏

 「1996年に発売した銀塩時代のGR1から、コンパクトで高画質というGRのコンセプトはデジタルになってからも受け継いでいます。無駄な装飾や凝った意匠を加えることもなく、ありのままのデザインを採用することは、カメラは撮るための“道具”であるという考えに基づいています。まず“高画質”であり、携帯性重視の“スタイリング”を持ち、“操作性と拡張性”に優れることがGRの三大要素。それをずっと曲げずに来たことが、ブランドの確立につながっているのだと思います」と語るのは、GR DIGITAL IIIの商品企画を担当したリコー PMMC 企画室 商品企画グループ シニアスペシャリストの樋口博之氏だ。

 近ごろのデジカメでは、女性のユーザー層を狙った商品企画やプロモーションが目立っているが、「当社のデジカメでは性別によるユーザーの分け方は、特に意識していません」という。カラーバリエーションがなく、フルブラックを続けることについては「シルバーモデルの案が出たことはありますが、そのモックアップまでは作ったことはありません」とのこと。ちなみにGRシリーズの購入層は、9:1〜8:2の比率で男性が多いが、実売価格が下がった旧製品は、カメラや写真にこだわりを持つ女性層にも徐々に売れているそうだ。

 主なターゲットユーザーは、プロカメラマンとハイアマチュア層を中心に、写真やカメラに興味を持つ人たちだ。「身に付けるように常に持ち歩き、いつでもどこでもシャッターを切りたい人に向けたカメラです。撮影目的を持って使う一眼レフ機のような大きなカメラとは異なり、たとえば通勤や買い物のついででも、気に入ったシーンやシャッターチャンスに出会ったら、気軽に、かつ素早く撮影できます」(樋口氏)。

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