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初のBlu-ray Disc対応CATV STB、パナソニックが発表

» 2009年09月09日 14時23分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 パナソニックは9月9日、デジタルCATV STB(セットトップボックス)の新製品として、Blu-ray Discドライブを搭載した「TZ-BDW900シリーズ」3機種を発表した。HDD容量はいずれも500Gバイトで、MPEG-4 AVCによる“フルハイビジョン8倍録画”や「YouTube」対応など、市販のブルーレイDIGAと同等の機能を備えている。12月にはCATV事業者に対して出荷を開始する予定だ。

photophoto Blu-ray Discドライブを搭載した「TZ-BDW900シリーズ」。受信変調方式の違いと内蔵ケーブルモデムの有無で3機種をラインアップしているが、デザインは共通だ

 パナソニックは、2006年の「TZ-DCH2000」以来、継続して録画機能搭載のSTBを販売している。2009年1月にはDVDドライブ内蔵モデル「TZ-DCH9000」シリーズを投入。AVC REC対応により、DVDメディア1枚に2時間10分のハイビジョン記録が可能になった。しかし、「映画の中には2時間10分より長いものが多くあり、また高画質なDRモード(TS記録)でBDに残したいというニーズも高い」(パナソニックAVCネットワークス社 映像・ディスプレイデバイス事業グループCATVビジネスユニット、企画グループの有賀健マネージャー)。BDドライブの搭載は、ユーザーとCATV局を含む「市場のニーズに応えたものだ」という。

photophoto TZ-BDW900シリーズには、64CAM専用の「TZ-BDW900M」、OFDMにも対応した「TZ-BDW900F」と「TZ-BDW900P」の3機種がある。FとPの違いは内蔵ケーブルモデムの有無

 TZ-BDW900シリーズは、市販のブルーレイDIGA「DMR-BW870」がベース(→8倍録画にHDD内ダビング、機能充実の「ブルーレイDIGA」)。HDDを500Gバイトとし(BW870は1Tバイト)、CATV向けのチューナーを搭載した点を除いて基本的に共通の仕様だ。フルハイビジョン解像度のままで8倍(BSデジタルの24Mbps換算)の長時間録画を可能にした「新アドバンスドAVCエンコーダー」をはじめ、HDD内ダビングにも対応したダビング機能、WOWOWの番組情報を最大40日先まで表示できる「1カ月番組表」といった新しい機能がすべて利用できる。また、DLNAサーバや「YouTube」「アクトビラ」といったネットワーク機能も備えた。

photophoto 前面パネル内にはTS入力が可能なi.LINK端子やSDカードスロットを用意。録画番組をカードに記録する「番組持ち出し」にも対応している(左)DLNAのデモ。対応するVIERAとの組み合わせでは、ネットワーク経由でもSTBのGUIをそのまま表示できる(右)

 もう1つ、市販のブルーレイDIGAと異なる部分が、ケーブルモデム内蔵のTZ-BDW900MとTZ-BDW900Fは、「アクトビラ ビデオ・フル/ダウンロード」に対応していないこと。これは、「STB内蔵のケーブルモデムは利用できる帯域幅が限られるため(YouTubeは利用可能)と、独自のビデオ・オン・デマンドサービスを提供しているCATV事業者も多いため」(同社)。一方、ケーブルモデム非搭載のTZ-BDW900Pは、ダウンロードも含めてアクトビラ ビデオ・フルを利用できるという。ただし、STBはCATV局が自社のサービスに合った機種を導入するため、ユーザーが選ぶことはできない。

 入出力端子は、HDMI出力、D4出力、S映像、コンポジットが各1系統。このほかに光デジタル音声出力、i.LINK(前面)、SDメモリーカードスロットなどを搭載している。外形寸法と重量は、3機種とも430(幅)×334(奥行き)×59(高さ)ミリ、約4キログラム。

photophoto リモコンはDIGAと同形状だが、「VOD」などSTBだけのボタンもある

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