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ロケット打ち上げでストレス発散? 「セーフティロケット マーキュリー」橘十徳の「いいトシして玩具三昧」第24回(2/2 ページ)

» 2009年09月15日 08時00分 公開
[橘十徳,ITmedia]
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点火装置を濡らさないように注意

 ベースユニットからはコードが伸びていて、その先には打ち上げボタンがある。コードの根本は安全装置になっていて、引っ張ると安全装置が解除される仕組みだ。組み立てるときには安全装置がかかっているのを確かめてから、透明なコップのようなジェネレーターに水を入れる。15分ほど待って中の布に水がしみこんだら内部の水を捨てて、クエン酸を水に溶かし込んだ水溶液を入れる。

photophoto 点火コイルを内蔵したジェネレーター(左)。クエン酸結晶とボトルが付属する(左)

 この際、ジェネレーターの中にある点火装置(金属のコイル)を濡らさないようにする。もし濡らしてしまった場合は、乾くまで15分ほど待たなければならず、これは少々面倒だ。点火装置を濡らさずに水やクエン酸水溶液を入れるには、ジェネレーターを傾けながら慎重に注がなければならない。

 あとはジェネレーターをベースユニットに差し込んで固定し、ロケットを差し込むための“タワー”という細長い棒のような部品を取り付ければ準備はOKだ。

ボタンを押していざ発射!

 さっそく打ち上げてみよう。

photo 発射台にロケットをセットした状態

 まず電源スイッチをオンにするとベースユニットのLEDが点灯して、クエン酸水溶液に電気が流れる。水溶液は水素と酸素に電気分解され、水溶液から出た水素と酸素の気泡は混合ガスとなってジェネレーターの上部にたまる。約3〜4分で気泡の発生が完了すると、準備完了のブザーが鳴る。

 ブザーが鳴ったらコードをピンと張って安全装置を解除する。ここで打ち上げボタンを押すと、点火装置が加熱されて混合ガスに点火。点火した混合ガスは急激な熱膨張を起こして、その圧力でロケットが発射される仕組みだ。なお、準備完了のブザーは30秒間鳴り続けるが、もしこの間に打ち上げボタンを押さなかった場合は、安全回路が働いて電源がオフになってしまう。そうなるとガスを抜くために一度ロケットをタワーがら外して電源を切り、再度ロケットを差し込んでスイッチをオンにしなければならない。

photo 打ち上げた瞬間

 実際に打ち上げてみると、やり方は簡単ですぐ覚えられた。水溶液から気泡がボコボコと沸き立つのを見ると、かなりドキドキする。なお、打ち上げボタンを押しても、すぐに発射されるわけではなく、数秒経ったあとにいきなり飛び出すので、発射するまでしばらくボタンを押したままにする必要がある。また発射の瞬間は「ポンッ」という乾いた音が周囲に鳴り響くので注意しよう。打ち上げの高さは最大40メートルとなっているが、ワタクシが試したときもだいたいそれくらいは飛んだと思う。

打ち上げ後に感じる不思議な充実感

 ロケットにはパラシュートなどが付いているわけではなく、打ち上がったあとはそのまま落ちてくるだけだ。本当にただ打ち上げるだけのシンプルな商品なのだが、飛ばしたあとは不思議と充実感に満たされる。試した場所は都内の河川敷なのだが、大空の下、広々としたところでロケットを飛ばすと実に爽快(そうかい)だ。

 この実験キットは安全性への配慮も高く、だれもが気軽に遊べる優れた商品だと思う。付属のクエン酸やゴムパッキンなどの消耗品、ロケットやベースユニット本体などはスペアパーツとしてバラ売りされているので、例えばロケットが風で流されてしまった場合でも、紛失したパーツだけを手に入れられる。

 パッケージには、ロケットの原理や歴史などを解説した小冊子や、「日本モデルロケット協会」の案内書なども入っているので、モデルロケットの初心者が買うのには最適だ。またペットボトルロケットに慣れた人でも、圧縮空気とはまた違った味わいが楽しめると思う。

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