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一緒に歌えるウォークマン、新「S」シリーズを楽しむレビュー(3/3 ページ)

» 2009年10月27日 08時00分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 ライブラリソフト「x-アプリ」には歌詞マッチング機能のほかにも、いくつかSonicStage V/CPにはなかった機能が取り入れられている。PLAYLOGとの連携は以前からサポートされていたが、左ペインをみると「アプリケーション」の項目が用意され、「x-Pict Story」「x-ScrapBook」「x-Chronology」の文字がならんでいることがが分かる。

 いずれのアプリケーションも同社「体験空間」より単体提供された実績のあるもので、「x-Pict Story」は写真と音楽を組み合わせてオリジナルのBGM付きスライドショーを、「x-ScrapBook」はフォトアルバムを、「x-Chronology」は写真と音楽を組み合わせつつ時系列で閲覧することができる。

photophotophoto 写真とBGMを選択するとスライドショーを作成してくれる「x-Pict Story」。BGMはプリセットの6種類のほかx-アプリから任意の曲を選ぶこともできる
photophotophoto x-Pict Storyで作成したスタライドショーはウォークマン用(MPEG-4 AVC/H.264の.MP4ファイル)またはメール添付用(WMV)のいずれかで保存できる。ウォークマン用として保存した場合、x-アプリの「パーソナルビデオ」から確認できる

 作成したスライドショーなどはx-アプリ上で閲覧するほか、x-Pict Storyで作成したスライドショーとx-ScrapBookで作成したフォトアルバムはそれぞれ、本製品へ再生可能な形式で保存して転送することもできる。こうした画像付きファイルをウォークマン上で楽しむならば、本製品より大画面のディスプレイを搭載するNW-X1000シリーズの方が適するようにも感じるが、「音楽だけ」「静止画だけ」ではなく、さまざまなメディアをMixして楽しむ新提案として興味深い。

photophotophoto x-ScrapBookで作成したスクラップブックは、その1ページだけをJPEGファイルとして書き出すこともできる

 そのほか、12音解析を利用して「朝のおすすめ」「シフトアップ」「ダンスフロア」など32種類のプレイリストを自動生成する「おまかせチャンネル」や、「アーティスト名」「登録日」「ジャンル」などさまざまな条件を組み合わせてプレイリストを生成する「ダイナミックプレイリスト」作成も備えており、プレイリスト生成についてもかなりの多機能となっている。ただ、多機能なためなのか、利用するPCによっては動作が緩慢に感じられる。今回は古めのノートPC(ThinkPad T43/Pentium M 2GHz/メモリ2Gバイト)でx-アプリを利用したが、操作全般に軽快さはなく、各操作にストレスを感じた。

photophoto 1「おまかせチャンネル」による「夕方のおすすめ」(写真=左)、ダイナミックプレイリストで作成した、「テンポが150BPM程度」のプレイリスト(写真=右)

 音質については既存モデル「NW-S730」シリーズと同様、高域補完技術「DSEE」(Digital Sound Enhancement Engine)、L/Rを明確に分離する「クリアステレオ」、低音ゆがみを抑制する「クリアベース」、それにアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する。付属イヤフォンは13.5ミリ径ドライバ搭載のカナル型イヤフォンで、MDR-NC33相当となっている。

 NW-X/NW-Aシリーズが搭載するデジタルアンプ「S-Master」こそ備えず、音の解像感という意味ではこれらモデルに見劣りするが、13.5ミリ径イヤフォンから発せられるサウンドは低域に厚みがあり、押し出しが強め。外出時にJ-POPなどのサウンドを楽しむのに適しているといえる。ノイズキャンセリングの効果は相変わらず高く、地下鉄内などでのリスニングに威力を発揮する。

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 現在、ソニーはウォークマンについて、ワンセグまで含めた“全部入り”の「NW-Xシリーズ」、S-Master搭載の音質重視モデル「NW-Aシリーズ」、スティックタイプのカジュアルな「NW-Eシリーズ」、ヘッドフォン一体型の「NW-W」シリーズと多展開しており、本製品を含むNW-Sシリーズはメインストリーム向けといえるポジションを占める。

 NW-Sシリーズは新たに歌詞表示機能「歌詞ピタ」を搭載したが、歌詞データを別途購入しなくてはならないこともあり、どれだけの価値を見いだせるかは人それぞれと言わざるを得ない。ただ、それ以外の機能面および音質、ドラッグ&ドロップによる転送を含めた操作性、ノイズキャンセル機能など、ポータブルオーディオに求められる機能を上手にまとめ上げていることも事実であり、十分魅力的な製品だといえる。

「S740シリーズ」をSonyStyleで購入する
歌にあわせて歌詞が見える。一緒に歌える“ウォークマン”ノイズキャンセリング機能搭載モデル。


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