連載
» 2009年12月16日 21時09分 UPDATE

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.41:新世代パネル搭載の“LED AQUOS”で楽しむ「バーン・アフター・リーディング」の鮮鋭画質 (1/2)

シャープの新パネルを搭載し、白色LEDをバックライトに使用した「LED AQUOS」。60V型「LC-60LX1」を試用中、その画質にうなったのが、映画BD ROM「バーン・アフター・リーディング」である。

[山本浩司,ITmedia]

 大画面テレビ市場は盛り上がっているのに、この秋冬モデルの拡充に消極的なメーカーが多い。そんな中、前回の連載で採り上げた100万円テレビの“CELL REGZA”「55X1」をはじめとして、ZX9000、Z9000シリーズなど豊富なラインアップを用意した東芝が、年末の大画面テレビ界の話題をさらっている印象だが、その意欲的な内容で注目したい大画面液晶テレビがもう1つある。それがシャープの“LED AQUOS”「LX1シリーズ」だ。

photo シャープの“LED AQUOS”「LX1シリーズ」。60V、52V、46V、40V型の4サイズを販売中

 60V、52V、46V、40V型と4つの画面サイズで展開されるLXシリーズ、卓越した性能とともに機能面でもじつに興味深い提案がある。では、その詳細を見ていこう。

 シャープは来年の2010年、AQUOS発売10周年を迎える。そう、「21世紀に持っていくもの」がついに10年目を迎えるのである。その節目を前にして、LXシリーズは次世代と呼ぶにふさわしい技術が投入された高性能液晶パネルを採用している。その技術というのが、「 UV2A」と呼ばれる新しい光配向手法。このテクノロジーの投入によって、これまで開口率を上げる妨げになっていたパネルのリブ・スロットを取り除いて光の透過量を増やすことが可能になったのと同時に、従来指摘されることの多かった「黒浮き」の原因となる光漏れを抑えることができるようになった。パネルのネイティブ・コントラストは、従来の同社最高級パネルの約1.5倍にあたる5000:1である。

photophoto UV2Aパネルの模型。リブ・スリットがなくなるため明るい白としまった黒が表現できる(左)。LED AQUOSの白色LEDバックライトをカットしたモデル。使用LEDの数は非公開(右)

 また、LXシリーズのバックライトには従来主流であったCCFL(蛍光灯の一種である冷陰極管)ではなく、白色LED(Light Emitting Diode=発光ダイオード)が採用されているのも、本シリーズの注目ポイントだ。

 しかしながら、昨年発売されたAQUOSのハイエンド・ライン「XSシリーズ」と異なり、本シリーズにはLEDバックライトのローカル・ディミング(部分減光)は採用されていない。ローカル・ディミングというのは、LED光源をエリアごとにグルーピングし、入力信号のエリアごとの明るさの変化に応じてその光らせ方を個別に変え、コントラストを向上させる手法。暗闇を表現するエリアはLEDを完全消灯すればよいので、文字通りの漆黒が表現できる。ただし、その制御はきわめて難しく、エリア区分が大まかすぎると、光らせている部分と明るさを落しているエリアの境目がバレてしまい、「ハロ」と呼ばれる不自然な現象が生れる危険性がある。

 LXシリーズでは、先述したUV2A技術が投入されたハイコントラスト・パネルが採用されたこともあって、映像の輝度表現に不自然さが出る危険性のあるローカルディミングの手法を採らずとも、じゅうぶんな明暗のダイナミックレンジが表現できると同社企画開発陣は判断したのだろう。実際にその映像を見ても、よく沈む黒と輝くような白が実現されているのが分かり、UV2Aパネルの優秀さを実感した。

 開口率を高めてバックライトの光量を落しても明るく表示できるUV2Aパネルと高効率発光を持ち味とするLEDの採用で、LXシリーズの消費電力は昨年のGXシリーズに比べて30%以上削減と格段に少なくなっている。CO2削減が全国民挙げてのテーマとなっているこんにち、この低消費電力化もLX1の魅力ポイントとして見逃すことはできないだろう。

 液晶の弱点として指摘されることの多い動きボケ対策として、LXシリーズはバックライトスキャン方式が採られている。これは画面を垂直方向に分割し(LXシリーズの場合は5分割)、高速で順番にその5分の1エリアだけを消灯させて見た目の動画解像度を向上させる手法。CCFLに比べて圧倒的な高速応答が可能なLEDを用いてバックライトスキャンを行なえば、CCFLを用いたときのようなフリッカー(画面のちらつき)が生じない。これもLED光源ならではの画質面でのメリットだ。

 LXシリーズの機能面での特長としてぜひ注目したいのが、「好画質センサー」の提案である。これは室内の明るさと照明の色温度、コンテンツの内容に合わせて、同社技術陣が考える最適画質にアジャストするいわゆる“おまかせ”機能だが、この提案が画期的なのは、オーナーの画調の好みをその最適画質に反映できるという点にある。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia LifeStyle に「いいね!」しよう