コラム
» 2010年01月07日 14時25分 UPDATE

都市伝説?:プラズマクラスターイオンで音が良くなるという話

この話を聞いたのは、昨年10月。そう、「オトテン」の事前取材をしているときでした。シャープのプラズマクラスターイオン発生器を使うと、オーディオの音が良くなる……そんな話でした。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 この話を聞いたのは、昨年の10月。そう、「オーディオ&ホームシアター展 in AKIBA2009」(通称:オトテン)の事前取材をしているときでした。シャープのプラズマクラスターイオン発生器を使うと、オーディオの音が良くなる……「なにか都市伝説のような話ですけどね、本当に変わるらしいです」と話してくれたのは、某社のイベント担当者でした。

 実際にオトテンの会場に行って、とても驚きました。業務用のプラズマクラスターイオン発生器がいたるところに設置されていて、イベント期間中はフル稼働です(ちなみにパナソニックブースだけはナノイーイオンに満たされていました)。立て看板には「空気を除菌中」とだけ書かれていて、もちろん音については全く触れていません。でも、とにかくオーディオファンが集まる場所ですから、プラズマクラスターイオン発生器をたくさん設置することで、何かを期待していたのかもしれません。

photophoto 2009年10月に開催されたオトテン会場。ふり向けばプラズマクラスターイオン発生器

 ご存じのように、シャープの「プラズマクラスターイオン」は、空気中にプラスとマイナスのイオンを放出して除菌や消臭を行う技術です。汚れた空気中にイオンを放出すると、浮遊する菌や臭いのモトが分解されることは以前から知られていましたが、通常のイオン発生ユニットなどで生成したイオンは、空気中に放出されると不安定になってあまり役にたちません。でも、プラズマ放電によってイオン粒子のまわりに複数個の水分子をブドウの房状(クラスター)に凝集させると、イオンを空気中でも安定させることができるそうです。

 この技術は、ちょうど10年前に発明され、今では空気中の除菌やアレルゲン対策、インフルエンザ予防などでひっぱりだこ。空気清浄機をはじめ、エアコン、冷蔵庫、掃除機、衣類乾燥機、シャワートイレなど、幅広い家電製品に使われているのは、皆さんご存じの通りです。

本題

photo 「FU-Y30CX」はプラズマクラスター7000の空気清浄機。最近では、より高濃度のイオンを発生する製品も登場している

 さて、オトテンから2カ月もたってから、この話を記事にしようと思ったのは、年末に「FU-Y30CX」というプラズマクラスターイオン発生機能付き空気清浄機を自宅に導入したからです。主目的はタバコのニオイ対策で、こちらは一定の効果をあげています。例えば、一日中動作させておくと、帰宅したときにニオイが軽減していることが分かりますし、導入前に懸念していた動作音も、風量が「弱」である限りは全く気になりません。今ではすっかり気に入って、寝るときも動作させっぱなしになりました。ただし、風力「強」で動作しているときは、けとばしたくなります。

 このプラズマクラスターイオン発生器でオーディオの音質が上がるという話はかなり前からあったようで、Webで検索するといくつものサイトがヒットしました。なかでも最も多く見かける方法は、アナログレコードやCDをイオン発生器や空気清浄機の吹き出し口にさらして静電気を除去するというもの。プラズマクラスターイオンの静電気除去効果については当初からうたわれていましたし、オーディオ店では昔からレコードやCDの静電気除去アイテムが普通に売られていますので、ロジックとしては納得できます。

 しかも、従来の静電気除去アイテムは、それだけで数万円もします。エアコンや空気清浄機の機能を持っているプラズマクラスターイオン製品で同じことができるのならもうけもの、いやコストパフォーマンスがとても高いといえるのではないでしょうか。実際、検索でヒットしたページの中には、大手量販店のオーディオ担当者がまじめに検証している例もありました。

photo 静電気除去作業中

 さっそく試してみましょう。手持ちのCDを持ち出し、Webで読んだ通り、空気清浄機の吹き出し口に数十秒間さらします。その前後で同じ曲を再生して聞き比べました。ちなみにCDプレーヤーは、パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW800」で代用、パイオニアのAVアンプ「VSA-LX51」を介して、クリプシュのブックシェルフスピーカー「RB-51」を鳴らします。これは、普段映画などを見ているシステムそのまま。けっして特別な機材をそろえたわけではありません。

 その結果、プラズマクラスターイオンにさらす前と後では、本当に音が変わって少し驚かされました。ただし、「音質が向上する」というと語弊があるかもしれません。むしろプラズマクラスターイオンにさらす前の再生音が「なにかさえない」感じだったのが、さらした後は聞き覚えのあるキレイな音が出てきて「これこれ」という印象です。静電気が除去されたことでCD本来の音が戻った、ということかもしれません。ただ、そのCDをWAVEファイルに変換して周波数特性の簡易計測を行ってみましたが、違いといえるような変化が全く見られなかったのは残念です。

 もし、あなたの家にプラズマクラスターイオン発生器や同機能搭載アイテムがあったら、一度試してみてはいかがでしょう? プラズマクラスターイオンによる音の“違い”。感じるか、感じないかは、あなた次第です。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.