それでは主要なカタログスペックの項目を見ていこう。
電球形蛍光灯の場合は、電球色、昼光色、昼白色の3種類のラインアップとなっていることが多いが、LED電球の場合は電球色と、昼白色または昼光色の2種類となっていることが多い。メーカーによって白色が昼光色の場合と昼白色の場合とがあるので気をつけよう。できれば購入前に実際に店頭に行って光色をチェックすることをおすすめする。なお、シャープの最新モデル「DL-L60AV」は、白色と電球色をリモコンで切り替えられるというユニークな機能を持っている。本などを読むときは昼白色、リラックスしてくつろぐときは電球色など、シチュエーションによってリビングの光色を変えたい場合には便利だ。
光束とは光の量を表す単位のことで、lumen(ルーメン)で表記する。全光束とは、光源から全方向に向けて放射された光の量を意味する。カタログに「60ワット相当」や「40ワット相当」と記載されていても全光束の値はメーカーごとに異なる。測定方法も各メーカーで違うので、単純に数値だけでは明るさを判断できない。また、白色と電球色とでは蛍光体の種類が違うために、同じグレードでも全光束の値が違ってくる。一般的に、同グレードならば電球色相当のほうが全光束の値は小さい。
配光を表した図のこと。LED電球は白熱電球に比べて光を発する範囲が狭く、口金の方向に回り込む光が少ない。そのぶんだけ遠くまで光が届くので、天井に取り付けて下に向けて光を放った場合、足もとまで明るく照らすことができる。配光特性をチェックすることで、このような光が届く範囲を確認できる。メーカーによって異なる光の広がり具合を、この配光特性を比べることで目安として参考にできる。
消費電力の低さは、LED電球の特徴としてもっとも強調される点であるだけに、各社とも低消費電力を追求してしのぎを削っている。スペック上ではわずかな差でも、長期間に渡って使えば大きな差となっていくので、しっかりチェックしておきたい。
一般的にLED電球は白熱電球や電球形蛍光灯に比べて重量が重い。中には1個の重量が200グラム近い重さのものもある。同じグレードでも光量が多いモデルのほうが重くなるメーカーもあるので要確認だ。1個だけを取り付けるならそれほど気にする必要はないかもしれないが、複数のLED電球をペンダントに取り付ける場合などは、重量オーバーとなる可能性もあるので注意しよう。
電球形蛍光灯と同じく、一般的な白熱電球の形に近いものが多いが、各社ともにサイズは微妙に異なる。ダウンライトなどの小さな器具には取り付けられないこともあるので、全体のサイズをよく確認しよう。スポットライトタイプや防水タイプなど特殊な形状のものもあるので要注意だ。密閉型器具に対応しているLED電球の場合は、カバー内に収まるかどうかも確認する必要がある。
一般的な電球の口金サイズはE26だが、E17やE11などの小型電球に対応したモデルを提供しているメーカーもある。また、エコリカの「ECL-L」シリーズのように、G13口金に対応した直管形のLED照明もある(蛍光灯タイプ)。取り付ける器具の口金がどのサイズかを事前にチェックしておこう。
家庭向けのLED電球だと4万時間と設定されているものが多いが、スポットライト形だと2万時間と短くなるケースもあるので注意したい。
このほか、LED電球のカタログを見る上で気になるキーワードを紹介しよう。
色がどのように見えるかを言い表す言葉で、自然光に近いと「演色性が良い」と表現される。客観的な数値として「演色評価数」で表されるが、この数値を掲載していないメーカーもある。家庭向けのLED電球だと70〜80くらいのものが多い。
明るさを調節できる調光機能が付いた照明器具に取り付ける場合は、調光機能に対応したLED電球を選ぶ必要がある。未対応のLED電球を使った場合、破損の可能性もあるので気をつけよう。なお、シャープの「DL-L60AV」は、電球それ自体に調光機能を持っており、リモコンで明るさをコントロール可能だ。
LED電球は全体的な発熱量は白熱電球より少ないものの、口金の部分が熱くなる傾向がある。発熱温度を具体的にカタログに掲載しているメーカーは少ないが、放熱設計を工夫して低発熱をアピールしているメーカーもある。放熱の多さは寿命を左右するポイントなので、発熱量は少ないに越したことはない。
次回は、現在販売されているLED電球をメーカーごとに取り上げていこう。
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