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失敗しないLED電球購入ガイドLED電球でエコな暮らし(2/2 ページ)

» 2010年02月15日 11時00分 公開
[上島康夫,ITmedia]
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東芝ライテック ネオボールZ EFA12EN(比較用の電球形蛍光灯)

 まずは普段使っている電球形蛍光灯を基準にしよう。LED電球と比べて最も違いが明らかなのは天井の光り方だ。照明器具の取り付け位置周辺は非常に明るく、壁も全体の上から2/3程度が明るく、床に近づくにつれて徐々に光量が低下しているのが分かる。特に白い壁に明るさのムラがないところをLED電球と比較してみてほしい。

 床面はほかのLED電球に比べて最も暗いことが分かる。経年劣化による光量低下も影響しているだろうが、一般の電球に比べてLED電球は直下の足元を照らすのは得意だと考えてもよいだろう。

photophoto ネオボールZ

パナソニック EVERLEDS LDA7D-A1

 写真ではほかのLED電球に比べて青色が強く写っているが、肉眼ではこれほど強く青色を感じることはない。おそらく撮影時の色温度(4000K)に影響されていると思われる。メーカー発表によれば「紫外線・赤外線放射をほとんど含まないクリーンな光」とのことで、意図的にこの色をつくっているのだろう。ただし、夜間の部屋ではやや寒色系の光との印象で、肌色も若干冷たく感じられた。リラックスして夜を過ごすリビングや寝室の照明よりは、子供部屋や昼間の部屋で補助光とする使い方が適しているのではないか(あくまでも個人の印象であるが)。

 光の拡散性については、LED電球特有の指向性を引きずっているようだ。天井の光は局所的で、壁には明るさのムラが生じている。ちょうど壁の中間点にあるドアフォンのモニタ周辺が最も明るくなっている。床に映った椅子の影はネオボールZに比べて輪郭がくっきりしており、指向性の強さを伺える。床面の反射は後述のDL-L601NやE-COREよりも強い印象だ。

photophoto EVERLEDS

シャープ 600SERIES DL-L601N

 今回試用した中では、電球形蛍光灯から移行して最も違和感を感じなかった製品だ。天井の光も広く拡散しており、壁は全体に光が回りムラは見られない。写真ではネオボールZに比べて若干暖色に映っているが、肉眼ではほとんど違いは感じられなかった。光の柔らかさや色の落ち着きも好ましく、今回の中ではいちばんのお奨めといえる。

 床面での光の広がり方は、電灯直下から周辺にかけてほぼ均一に光りが回っている印象で、明るさはネオボールZとほぼ同程度だ。

photophoto DL-L601N

東芝ライテック E-CORE LEL-AW6N/2

 写真を念入りに調べれば、DL-L601Nに比べてわずかに拡散性が弱いことは確認できるが、実用的には違いを認識することはないだろう。色味はDL-L601Nより少し赤みを感じる。白熱電球ほどではないにせよ、暖かみのある明かりを使いたい場所にちょうどいいかもしれない。

 床面での光の拡散は、ネオボールZやDL-L601Nと比べて若干周辺部の光量低下が見られる。代わりに、電灯直下の明るさは両者に勝っているようだ。

photophoto E-CORE

NECライティング LIFELED'S ELL6N-100V

 特にスポット光とうたっている製品ではないが、次のエコリカと一般的な電球型の中間くらいの指向性を持った照明である。もちろんこうした特性を意図した製品なので、高い天井から吊すペンダント型ライトなど、適した環境で使えば問題ない。ただし、一般的な電球と同じ配光を期待して購入すると思わぬ失敗につながるので注意しよう。特に浴室など電球を水平に設置する場所には不向きである。

 5製品中最も消費電力が少なく、全光束も350ルーメンと最小(ほかは500〜570ルーメン)のLIFELED'Sだが、床の明るさはスポット光タイプのエコリカを除く4製品中最も明るかった。何らかの作業を行うために手元を明るく照らしたいという用途にはぴったりの照明だろう。

photophoto LIFELED'S

エコリカ ECL-HPL60WH(スポット光タイプ)

 今回試用した製品の中で唯一のスポット光タイプである。勉強部屋や読書部屋など、特に手元を明るくしたい使い方や、光を使ったインテリアの演出に向く照明だ。試用環境では電球から床までの距離は2メートル強あるが、それでも床面の反射光はまぶしいくらいの明るさである。一般家庭の天井高で使うなら、40W型でも十分な明るさとなるだろう。メーカーでは「図書室・教室・研究室・調理室・売店・楽屋」などでの使用も提案もしている。複数個の電球を使って広めの施設全体をまんべんなく照らすような用途を想定しているのだろう。

photophoto エコリカ

 価格低下が進んだとはいえ、60W型相当のLED電球の実売価格(執筆時点)は家電量販店で4000円前後と決して安くはない。この価格への抵抗感を和らげるために、メーカーや販売店では「消費電力や寿命などを勘案すればトータルコストは安くなる」と宣伝している。確かに費用対効果は重要ではあるものの、冒頭でも述べたようにユーザーにとって重要なのは光のもつ性質、特に色味と拡散性ではないだろうか。

 販売店では製品を実際に点灯して展示していることもあるが、店内照明を煌々と照らしている中で、LED電球の性質を見分けるのは難しい。LED電球を使っている知人宅など実際の使用環境で確認できるのがベストだが、それが無理ならば、せめてメーカーのホームページでスペックを調べてから決断することをお奨めする。一般に「○○W型」と表示されているのは電球直下の照度であって、光の広がり方はメーカーごとにバラツキがある。トータルで電球型蛍光ランプよりも安くなるとはいえ、一度買ってしまったら何年も使い続けないと元は取れないので、製品選びは慎重にしてもらいたい。

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