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パナソニック初の3Dテレビ、VIERA「TH-P54VT2」の使い勝手は?(後編)3Dテレビがやってきた♪(2/2 ページ)

» 2010年05月14日 16時21分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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photo 「こまめにオフ」が動作したところ。

 VIERAリンクは機能拡張に際してバージョンを定義しており、現在はVer.5。2009年のVer.4で導入されたのがよりエコに配慮した機能で、「こまめにオフ」ではDIGAが未使用状態(VIERAの内蔵チューナーでテレビ視聴)になると自動でDIGAを電源オフ、「ECOスタンバイ」ではVIERAが電源ONの場合のみDIGAを高速起動状態に推移させることで、利便性を損なわずにDIGAの待機電力まで最小に維持できるように進化している。「こまめにオフ」と「ECOスタンバイ」の両方を組み合わせれば、DIGAは実際の利用時以外はほぼ電源OFF状態となり、VIERAの未使用時は待機電力も最小。それでいて両方が電源OFFの状態以外ではさっとDIGAを操作できることになる。

 実際、その効果は大きい。DIGAの録画番組を再生後、VIERAのテレビチューナーに切り替えると数秒後にはDIGAは電源OFFに移行する。VIERAの内蔵チューナーでテレビ視聴時にDIGAのリモコンで「録画一覧」ボタンを押すと2秒もあれば画面に録画一覧が表示される。これらの動作は設定によって変化するが、きちんと設定さえしておけば、ストレスフリーな操作とエコを簡単に両立できるわけだ。

 なお、VIERAリンクのVer.5で導入されているのはARC(オーディオ・リターン・チャンネル)。オーディオシステムとの接続時にHDMIケーブルでそれぞれを接続するだけでオーディオシステム側の音声を出力することが可能となっており、光デジタルケーブルでの接続を不要とする。また、対応オーディオシステムと接続した場合には、番組表のジャンル情報を元にサラウンドモードを自動的に最適なモードに変更するため、臨場感あふれる音声を手軽に楽しめると同時に、ニュースなどでは不要なサラウンド機能を使わないことで省電力動作にもつなげている。ここまで把握した上でVIERAリンク対応機器を組み合わせる人はそう多くないと思うが、調べれば調べるほど感心してしまうのも事実だ。

プラズマならではの画質に「3D」、シアター派には魅力の製品

 本機は、ここまでに取り上げた機能以外にも「アクトビラ・ビデオ フル」や「YouTube」、DLNAクライアントの「お部屋ジャンプリンク」といったネットワーク機能を持つ。また6月以降にはスカイプのテレビ電話にも対応する予定だ(オプションが必要)。専用のUSB接続の無線LANアダプターもサポート。ネット家電としての素養も十分だ。

photophoto アクトビラの画面。インターネット経由でビデオ・オン・デマンドが楽しめる。なお、ダウンロードレンタルには対応していない
photo 同じLANに接続していたノートPCのビデオフォルダにお部屋ジャンプ機能でアクセス。Windows 7の標準機能であるDLNAサーバー機能はMPEG2-PSへのトランスコード機能を持っているので、本機のDLNAクライアント機能でさまざまなコーデックの動画ファイル(ただしWindowsMediaPlayerで再生可能な動画ファイル)を再生可能。DivXコーデックでエンコードされた動画ファイルは544×480ピクセルでの再生が可能だった

 もちろん同社がこだわり続けているプラズマならではの画質も魅力だ。液晶テレビのように「x倍速パネル」「LEDバックライト」といった魅力に感じするスペックこそ並ばないが、これは応答速度が段違いに速いプラズマパネルでは、そもそも不要なだけである。今回は、16灯の60ワット蛍光灯と間接照明の両方を備えた部屋で試聴したが、蛍光灯をすべて点灯させた状態でも輝度に不満は感じず、その状態でも黒の沈み方は見事だった。静止画を表示して画面に近接してみると若干ノイズっぽさも感じるが、1メートルも離れると気になることはなくなるし、画面サイズに適切な視聴距離であればまったく問題にならない。

 プラズマパネルということで、消費電力を気にする人もいるだろう。実際定格では488ワットだから、同クラスの画面サイズの液晶テレビと比較すると倍近い消費電力だ。しかし自己発光のプラズマパネルでは、消費電力は画面全体の明るさで動的に変化する。今回はワットチェッカーを用いて簡易的に計測してみたが、画質をスタンダードに設定してエコモードをONにした状態であれば、16灯の60ワット蛍光灯を全て点灯した状態で画面がずっと明るいスタジオ収録の番組を見ていても、消費電力は200〜350ワット程度と400ワットを超えることなどまずなく、間接照明に切替えるとその消費電力は100〜180ワット程度まで一気に落ちた。とくに照明を落として映像を楽しむシアター派であれば、消費電力という点でも納得だ。

 本機の最大の魅力はやはり「3D」対応という事になるが、現状ではコンテンツが少ない。しかし大型テレビの買い換えスパンを考慮すれば、今どうせ買うなら「3D」対応がベターだ。もちろん3D映像にまったく興味がないのであれば非対応の製品でも良いと思うが、そこまで割り切れないならば価格差を考慮しても買っておいて損はないだろう。少なくとも映画素材は既に米国中心に多くのストックがあり、年末に向けて続々とリリースが始まるはずだ。その画質面も含め、シアター派にはやはり注目の製品と言える。

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