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3Dテレビの“鉄則” ソニー編麻倉怜士のデジタル閻魔帳(1/2 ページ)

» 2010年05月17日 09時01分 公開
[ 聞き手:芹澤隆徳,ITmedia]

 先月のパナソニック“3D VIERA”「VT2シリーズ」に続き、今月はソニー“3D BRAVIA”「HX900シリーズ」のインプレッションをお届けする。なお、同社の3Dテレビは6月以降に順次発売する予定のため、もちろん試聴機も最終品ではない。あらかじめご了承いただきたい。

photophoto HX900シリーズは、オプションの3Dトランスミッターと3Dメガネに対応する“3Dレディー”モデル。トランスミッターは視聴者に向けて見通しの良い場所に設置する

――ソニーの3D BRAVIAはいかがでしたか?

麻倉氏:今回は、XR1シリーズの後継となる「HX900シリーズ」をメインに視聴しました。ソニー“3D BRAVIA”の中でも、直下型LEDバックライトを搭載し、部分制御(ローカルディミング)も行うシリーズです。

 基本的に液晶の3Dテレビはクロストークの問題がありますから、LEDバックライトは必然。それを部分点灯してクロストークをインビジブル(不可視)にする必要があります。ソニーの3D液晶テレビもすべてLEDバックライトですが、HX900シリーズは直下型のLEDバックライト、それ以外は液晶画面の上下にLED光源を配置するエッジライト方式を採用しています(下表参照)。

ソニー3D<ブラビア>テレビのラインアップ

型番 LX900シリーズ HX900シリーズ HX800シリーズ
画面サイズ 40V、46V、52V、60V型 46V、52V型 40V、46V型
3D対応 標準(3Dメガネ2個付属) オプション(※)
バックライト  白色LED、エッジ型 白色LED、直下型(部分制御) 白色LED、エッジ型(部分制御)
発売時期 40V/46V型:6月
52V、60V型:7月
7月 7月
実売想定価格 60V型:58万円前後
52V型:43万円前後
46V型:35万円前後
40V型:29万円前後
52V型:47万円前後
46V型:39万円前後
46V型:28万円前後
40V型:22万円前後

※オプションの3Dシンクロトランスミッター(実売5000円前後)と3Dメガネ(実売1万2000円前後)が必要

 直下型は、サイド型に比べるとコストがかかりますが、直下型ならではの画質の良さがあります。まず、2Dの画質が非常に良好でした。コントラスト性能が高く、黒の沈み方、階調感も上々。映像に透明感があって、のびのびとした映像を見せてくれました。試作機段階の課題としては、色再現の一部にクセっぽいものがありましたが、発売までに改善されると思います。

photo

 余談になりますが、従来機のXR1シリーズは、すごく画質の良い液晶テレビでしたね。色再現、バランスのいい芳醇なコントラストなど、現存するすべての液晶テレビの中でも一番良いと思います。端正な画質で、かつハイコントラスト。これはなかなかありません。

 しかし、昨年後半からLEDバックライト搭載モデルが増え、コストダウンとデザイン性(薄さ)を重視して白色LEDを使ったエッジ型バックライトが主流になりはじめました。XR1シリーズのように直下型で、かつRGBのLEDをローカルディミングしているものは、もう出てこないかもしれません。3D対応よりも2D画質の良さを重視する人は、XR1シリーズの店頭在庫(生産は終了)を探してみるのをお勧めします。今なら安く購入できるでしょう。

――HX900シリーズの3D画質はいかがでしたでしょう?

麻倉氏: 3Dにも2D画質の良さが効いています。クロストークに関しては、基本的にあまり目立ちません。動きのあるシーンでは、残像感とクロストークを若干感じるシーンもありますが、ソニーのクロストーク対策はとても出来が良いと思います。

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