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» 2010年08月18日 17時21分 UPDATE

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.50:AQUOS最強の“クアトロン3D”で観るリッチな「泥棒成金」 (1/2)

シャープの3D液晶テレビ“AQUOSクアトロン3D”「LC-60LV3」を細かくチェックすることができた。ここでは3D表示だけではなく、2D再生時にも興味深い提案が盛り込まれた本機の概要を分かりやすくお伝えしよう。

[山本浩司,ITmedia]

 4原色技術を投入した話題の3D液晶テレビ“AQUOSクアトロン3D”のシャープLVシリーズ。なかなかじっくり見る機会がなかったのだが、やっと60V型の「LC-60LV3」を細かくチェックすることができた。ここでは3D表示だけではなく、2D再生時にも興味深い提案が盛り込まれた本機の概要を分かりやすくお伝えしたい。

photo “AQUOSクアトロン3D”「LC-60LV3」

 LVシリーズの技術内容についてはすでにITmediaでも詳しく報じられているが、本シリーズにおいてシャープが目指したのは、色鮮やかで、コントラストに優れ、明るく、残像感が少ない画質。これらの要件を満たすことで、結果的に3D表示時にも他社を凌ぐ高画質を獲得しようというストーリーである。そう、じっくりその映像をチェックした今、本シリーズはシャープAQUOS史上最強の高画質テレビだと自信をもって断言できる。

 このAQUOS史上最強画質を支えているのが「UV2A技術」「4原色技術」「FRED技術」「スキャニングLED バックライト技術」の4つのテクノロジーである。UV2Aは、液晶分子の並びを高精度に制御することでパネルからリブやスリットを追放して開口率を上げるとともに、光漏れを抑えて黒の締まりを向上させる技術。つまりこれは、光の利用効率を高めてコントラストを向上させ、消費電力を抑える手法といってもよい。

 従来のR、G、Bに加えてY(イエロー)のサブピクセルを加えることで広色域化を図ったのが、4原色技術。これまで液晶テレビが苦手としていた黄色や金色の鮮やかな再現が可能になったのと同時に、黄色のサブピクセルが加わったことでグリーンの色度点を広げることができるようになり、結果としてシアン(水色)の表現力がアップしたことにも注目したい。また、3原色から4原色の進化したことで、サブピクセル数が1.3倍となり、回路面の工夫で斜め方向をよりきめ細かく表示することができるようになったことも特筆すべきポイントだろう。

photophoto 4原色技術では、R、G、Bに加えてY(イエロー)のサブピクセルを加えることで広色域化を図った(左)。増えたサブピクセル数を生かし、より精細な映像を表現する「フルハイプラス」技術(右)

 FRED技術は、1本の信号ラインで液晶を高速駆動させるテクノロジー。スキャニングLEDバックライト技術は、1フレームの画面を垂直方向に何分割かして、高速で順番に消していく手法だ。LEDならではの高速オン/オフ制御機能を利用した技術だが、この手法を採ることで残像感を少なくし、3D再生時のクロストーク(左目用と右目用の映像が重なって見える二重映り)を低減することができる。LEDは、パネル直下に配置されているが、いわゆるローカルディミング(部分減光)の手法は採られていない。UV2A技術でじゅうぶんなパネル・コントラストが確保されているため、制御の難しいローカルディミングを採用する必要がないというのが、シャープ開発陣の考え方のようだ。

 実際に専用3DメガネをかけてBD ROMによるフレームシーケンシャル・デモ映像を体験したが、先行するパナソニック機やソニー機に比べて映像の暗さが気にならないし、色のクセもきわめて少ない印象だ。他社モデルでは3Dメガネをかけると映像全体がブルーにシフトしたように感じるが、4原色パネルならではのメリットなのか、本機は3D再生時のホワイトバランスにも違和感が少ない。映画「アリス・イン・ワンダーランド」の予告編などを観ると、ダークなゴシック・エンターテインメントのこの映画の魅力は、4原色パネルの本機で初めて堪能できるのではないかと思った。茶、黄、金といった色の描きわけがきちんとできて初めてこの作品の暗うつなトーンが再現できると思うからだ。

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