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» 2010年09月09日 11時13分 UPDATE

エッジ型と直下型のいいところ取り:光を操る「S-LED」搭載、Wooo「ZP05シリーズ」登場

日立コンシューマエレクトロニクスは、独自の「S-LED」パネルを搭載した液晶テレビ“Wooo”「ZP05シリーズ」を10月中旬から順次発売する。新しいIPS αパネルに“スリムブロック型”LEDバックライトを組み合わせ、メリハリのあるコントラスト表現を可能にしたという。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 日立コンシューマエレクトロニクスは9月9日、独自の「S-LED」パネルを搭載した液晶テレビ“Wooo”「ZP05シリーズ」を発表した。新しいIPS αパネルに“スリムブロック型”と呼ばれるLEDバックライトを組み合わせ、メリハリのあるコントラスト表現を可能にしたという。37V型と42V型の2機種を10月中旬から順次発売する。

photophoto “Wooo”「ZP05シリーズ」は37V型と42V型で展開
型番 L42-ZP05 L37-ZP05
液晶パネル IPS α(1920×1080ピクセル)
内蔵HDD 500Gバイト
iVポケット
ダブル録画
HDMI入力 4(ARC、1080p対応)
外形寸法(スタンド含む) 1027(幅)×699(高さ)×307(奥行き)ミリ 916(幅)×637(高さ)×307(奥行き)ミリ
実売想定価格 28万円前後 24万円前後
発売時期 10月下旬 10月中旬

 外観は、XP05シリーズのテイストを継承しつつ、素材感を重視したブラッシュアップが施されている。例えばフレームにはクリアな樹脂素材を重ねて光沢をプラス。スピーカー部にはパンチングメタルを採用し、スタンド部はアルミヘアライン加工として高級感を演出した。

photophoto フレームにはクリアな素材を重ねて光沢をプラス。スタンド部はアルミヘアライン加工として高級感を演出した
photophoto スピーカー部にはパンチングメタルを採用。音響補正技術の「CONEQ」もXP05シリーズから引き続き採用している(左)。HDMI端子は4系統(右)

 ZP05シリーズの大きな特長といえる「S-LED」パネルは、2008年にプラズマパネル生産から撤退し、それまでの垂直統合型から水平分業型に移行した日立のジレンマを解消するものだ。同社は、「やはりパネルモジュールそのものに手を加えないと、“求める画質”にはならない」(同社マーケティング本部の山内浩人本部長)と判断。IPSアルファテクノロジから供給された液晶パネルに自社開発のスリムブロック型LEDを組み合わせるという手法で、独自の「S-LED」パネルを作り出した。

 スリムブロック型バックライトは、その名の通り小さなブロックに分割した導光板を多数並べ、それぞれにLED光源を横付けした構造になっている。いわば「細かく分割したエッジ型LEDバックライトを多数配置するようなイメージだ」(同社商品戦略企画部の鈴木宏幸部長代理)。

photophoto スリムブロック型LEDバックライトの構造とメリット

 一方、多くの液晶テレビに採用されているエッジ型LEDバックライトは、基本的に全体が光るだけで、画質面ではCCFL(冷陰極管)とあまり変わらない。また直下型LEDバックライトはローカルディミングというメリットはあるが、LED光の拡散によって意図しない部分まで明るくなるなど細かい制御が難しい。対してスリムブロック型は、分割したそれぞれのブロックに対して発光のオン/オフや強度を制御でき、拡散した光が横のブロックに影響することもない。バックライトの分割数やダイナミックコントラストの計測値は非公開ながら、ブロック単位の細かいコントロールで光漏れ(ハロー)や黒浮きを抑制し、コントラスト性能を向上させることができるという。さらに倍速駆動(120Hz)とバックライトスキャニングで動画ボケを低減。ZP05シリーズはapdc方式の動画解像度で上限値となる1080TV本を実現した。

photo 動画解像度は1080TV本を実現

 「映像の輝度信号を分析し、ブロックごとにバックライトの発光を最適な照度に制御する。暗い部分はより黒くなり、無駄な発光を抑えて消費電力の低減にも役立つ。高画質と省エネを両立させる画期的な仕組みだ」(鈴木氏)。CCFL搭載の従来機(L42-XP03)と比較すると、ZP05シリーズの42V型は年間消費電力量を約27%削減しているという。

録画機能にDLNAサーバ/クライアントも搭載

 録画機能やネットワーク機能に関しては、基本的にXP05シリーズを踏襲している。2機種とも地上デジタルチューナーを3基、BSデジタル/CS110度デジタルチューナーを2基搭載し、「ダブル録画」しながら裏番組を視聴可能だ。もちろんiVDRスロット「iVポケット」を装備。内蔵HDDは500Gバイトに強化され、トランスコード/トランスレート技術の「XcodeHD」による長時間録画なら最大で約400時間の録画が可能になっている(TSX8モード時)。EPGは番組ジャンル別の色分け表示に対応しており、録画予約した番組には“赤丸”が付く。

 各種のネットワーク動画配信サービスにアクセスできる「Wooonet」は、トップページをリニューアル。新たにデザインを2種類(クールブラック、マイルドグレー)から選択できるようになったほか、各サービスの最新情報のリンクを表示する「ピックアップ情報機能」を追加している。例えば「Yahoo!JAPAN」なら急上昇検索ワード、「アクトビラ」や「TSUTAYA TV」では最新のコンテンツ情報が表示される仕組みだ。

 DLNAのサーバ/クライアントの機能を併せ持つのも“Woooならでは”の特長。例えば別室にあるWoooで録画したデジタル放送番組をネットワーク経由で視聴できるほか、録画した番組を配信することもできる。このほか、超解像技術「ピクセルマネージャー」や自動画質調整機能「インテリジェント・オート高画質2」なども搭載している。

3Dテレビは本年度中に

photo 同社マーケティング本部の山内本部長

 日立では、ZP05シリーズに搭載したS-LEDパネルを中大型サイズ中心で展開していく方針だ。山内本部長は、「現在はエコポイントで消費者の価格志向が強いが、終了後は“商品指向”に移るのではないかと考えている」と話す。エコポイント終了後は消費者は改めて製品を見直し、付加価値の高い製品を選ぶ人が増えるという考えだ。

 そして、同社が提供する高付加価値製品の第1弾がS-LEDパネル搭載のZP05シリーズとなる。「大型テレビになると直下型は熱の、エッジ型は輝度ムラの問題が発生しやすい。これらの課題を解決するスリムブロック型LEDバックライトは、大型になればなるほどメリットが大きい」。また、競合他社が先行している3D対応テレビについても、「既に開発には着手している。本年度中には出す」として、さらなる高付加価値商品の発売にも意欲を見せた。

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