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全部入り録画テレビ「TH-P42RT2B」、“らくらく”だけじゃない実力派プラズマ3D(2/2 ページ)

» 2010年09月22日 19時22分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 まず使い勝手に関しては、文句の付けようのないレベルだった。取説いらずの扱いやすさはさすがパナソニックというべきだろう、アンテナやLANケーブルなど必要なケーブル類をつなぎ、あとは問われるまま初期設定を行うだけですぐに使い始めることができる。当たり前のように思えることかもしれないが、こういった基本部分であらゆるユーザーが「つまずかない」配慮がなされている点は、上出来だと思う。

 録画機能に関しても、シンプルで分かりやすいメニューが用意されていて、使い勝手は上々。そのぶん単体HDDレコーダーに比べると、DVDが再生のみだったり、部分削除などいくつかの機能は省略されているが、操作性の良さを考えるとこれは致し方のないことだろう。単体HDDレコーダーと比較するのではなく、テレビデオ的な視点でみれば、これ以上にないくらいの優秀さだといえる。

photophoto BDディスクは、本体の右側から挿入する。比較的見やすい位置にスロットが配置されているので、操作を間違うことはないだろう。HDDは500Gバイトを搭載、最大で約364時間の録画が可能となっている。接続ケーブルは背面および左側に配置されている。前面にないのは薄型モデル故

 それよりも、ネット接続や3D表示などの最新機能がかなり使いやすくなっていることの方が驚いた。例えばネット機能に関しては、リモコンの「らくらくアイコン」ボタンで簡単に呼び出すことができ、その先は何をしたいのか選ぶだけ。アクトビラやYouTubeを、ネットと意識することなく手軽に楽しむことができるのだ。さすがにSkypeを使ったネット電話では多少の知識が必要だろうが、一度設定さえ完了してしまえば利用時にそれほど迷うこともないだろう。これだったら「インターネットは苦手」という人でも、その便利さを十分享受できるはず。

 ビエラリンク、およびHDMIリンクについても、かなりの使い勝手の良さを感じることができた。我が視聴室のAVアンプ、パイオニアSC-LX71経由でDMR-BW950に接続してみたが、再生や停止、早送りだけでなく、録画一覧や操作メニューの呼び出しまでテレビのリモコンから行えた。また内蔵Blu-ray Discだけでなく、BW950のBlu-ray Discドライブにソフトを入れるだけでも入力切り替えしてくれるのはありがたい。まさにビエラリンク、そしてHDMIリンク様々だ。これだけ操作性が上がっていれば、普段はテレビのリモコンひとつですべてが済むだろう。便利な時代になったものだ。

photophoto 付属する3Dグラス。メガネをかけた状態でも装着感に不安がないのはありがたい(左)。リモコンのデザインは他のパナソニック製テレビと共通。録画機能があることから、レコーダーに近いボタン数となっている。その分コントロール性も高く、HDMIリンクの恩恵もあってこれひとつで複数の機器の制御が事足りる

2D、3Dコンテンツの表現力は

 このように、操作性に関してはかなりの高印象をもたらしてくれたP42RT2Bだが、一方で映像クォリティに関してはいかがなものだろう。まずは2Dコンテンツで、その実力を推し量ってみた。

 おなじみの「300」では、銀残しに近い独特の映像が、エッジの鋭さも映像の質感もうまく表現されていた。明るさの階調表現が細かくていねいで、物の立体感が手に取るように把握できる。一方で、色合い表現もなかなか。さまざまな色が使われているカラフルな「ヘアスプレー」のダンスシーンでも、緑が浮いたり赤が沈んだりすることもなく、自然な配色とリアリティ感の高い映像を楽しむことができた。さすがプラズマといいたくなる、豊かな表現力だ。これぞパナソニックが誇る「フル・ブラックパネル」の恩恵だろう。

photo 視聴は我が家の自称「極小シアター」で行った。システムはAVアンプにパイオニアSC-LX71、スピーカーはフロントがパイオニア製のTAD(ホーンドライバーTD-4001+38cmウーファーTL-1601b)をステレオで、サラウンドにはAADの8cmフルレンジユニットE-30を使用した。またビエラリング接続用のチェックとして、DMR-BW950も活用している

 パネルの実力を生かし切るために、視聴環境をセンサーで検知して明るさや黒レベルなどをシーンごとに制御する「オートモード」も搭載されていて、これもかなり手軽で便利だが、お勧めしたいのはシネマモード。階調表現の細やかさ、そして色ノリの良さにはとても感心した。映画だけでなく、すべての映像がこのモードでも良いと思ったくらい。しかし明るい部屋での鑑賞にはベストといえない部分もあるので、環境やコンテンツによって使い分ける方が良さそうだ。

 さて、肝心の3Dコンテンツについてはどうだろう。結論としては、なかなか優秀だったと断言しよう。3D映像になってもプラズマディスプレイならではの細やかな階調表現や動画性能の高さが功を奏して、迫力がありつつもなかなか美しい映像を楽しませてくれた。

 またプラズマが不得意とされる明るさに関しても、ほとんど不満を持つことはなかった。さすがに日中の明るい部屋でも3D映像を存分に堪能する、とはいかないだろうが、輝度の高いダイナミックモードなどをうまく利用すれば、それほど不満は挙がらないはずだ。

 一方の画面サイズに関してはどうだろう。我が視聴室では、画面から視聴位置まで2.5メートル近く離れるため、さすがにこれでは迫力を堪能しきれなかった。そこで一般的に最適とされる視聴位置(画面縦サイズの3倍、42インチの場合は約1.57メートル)に場所を移すと、それなりに迫力ある映像となったから面白い。映画館と同じとまではいかないが、3Dである価値は充分に感じ取れるだろう。さらに3Dゲームの映像も視聴してみたが、激しい動きがあまりブレることなく表示されるため、余計な視聴疲れもない。プラズマディスプレイと3Dコンテンツは、とても相性が良いようだ。

 このように、視聴位置に関しては多少の選択が必要になるものの、42インチモデルでも十分に3Dコンテンツが堪能できることが確認できた。さらにRT2Bシリーズには、テレビデオ的な一体型多機能機ならではの使い勝手の良さもある。最新テクノロジーを気軽に便利に楽しめる、という点では、幅広い層にお勧めできる優秀モデルだ。

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