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初の3Dプロジェクター、ソニー「VPL-VW90ES」詳報3Dは大きなスクリーンで(2/2 ページ)

» 2010年11月01日 21時58分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 動画性能については、SXRDの0.2ミリ秒という応答性能、および上位機「LVP-VW200」譲りの倍速駆動技術「モーションフロー」で強化した。SXRD自体は4倍速駆動対応だが、上記のようにフレームレートとしては120Hzまでのため、2D表示は120Hz駆動となっている。

 モーションフローでは、補完映像を作り出して毎秒120コマのなめらかな動きを作り出す「モーションエンハンサー」と、黒画面や逆ガンマ処理した映像を挟み込んで残像感を低減する「フィルムプロジェクション」の両方を利用できる。フィルム素材(24pダイレクト入力)の場合は、4等倍の96コマで再現する。

 映像の調整もきめ細かい。まず、ガンマ調整は11種類(10種+オフ)と多彩だ。これは、従来の3管式プロジェクターの画質調整機能を継承したものだという。また、VPL-VW200にもなかった機能として、3つのシネマモードが挙げられる。「シネマ1」がソニー推奨のフィルム映画同等の色域で、「シネマ2」はデジタルシネマ、「シネマ3」は同社のプロフェッショナルモニターBVMの色域をトレースしている。

設置のフレキシビリティー

 テレビと異なり、プロジェクターでは機器本体とスクリーンが離れている。このため、3Dメガネを同期させる仕組みにも一工夫。レンズの周囲をよく見ると、上下に5つずつ赤外線送信部が並んでいるのが分かるが、ここから赤外線を送出してスクリーンに反射させ、3Dメガネを同期させる仕組みだ。視聴距離がスクリーンから5メートル以内であれば問題なく動作するという。シンクロ信号は可視光線ではないため、映像をジャマすることはない。

レンズ周囲のリングに上下5つずつの赤外線送出部がある。通常はほとんど見えない

 ただし、150インチ以上のスクリーンを使用する場合は、投写距離が長くなるため、外部トランスミッターを使用することになる。VPL-VW90ESでは、BRAVIA用に販売されている赤外線トランスミッター「TMR-BR100」を使用可能。プロジェクターに付属している変換プラグを用い、市販のイーサネットケーブル(カテゴリ7以上)に接続すれば、最大15メートルまで延長できるという。

 本体側面には「3D SYNC」と書かれたポートが用意されている。形状はLAN端子そのままだが、ネットワーク機能には使えない(左)。TMR-BR100の3D SYNCケーブルは独自形状のため、付属の変換プラグを使用する(右)

 専用の3Dメガネは2つ付属する。こちらもBRAVIA用と“ほぼ”共通で、異なるのは偏光フィルムが1枚追加されていることだけ。VPL-VW90ES専用の3Dメガネを販売する予定はないが、BRAVIA用として販売されている3Dメガネを購入し、VPL-VW90ESに付属している偏光フィルム(レギュラーサイズ×2組、スモールサイズ×2組が付属)を取り付ければ利用できるという。

VPL-VW90ESの3Dメガネ(左)。標準で2個が付属するほか、BRAVIA用の3Dメガネに偏光フィルム(右)を取り付けて使うことも可能だ
側面の端子群。HDMIは2系統を装備

 そのほかの主な仕様は下表の通り。

型番 VPL-VW90ES
パネル HFR SXRD(1920×1080ピクセル)
3D
ダイナミックコントラスト 15万:1
輝度 1000ルーメン
倍速駆動 モーションフロー120Hz
ファンノイズ 22dB
レンズシフト量 上下±65%、左右±25%
入力端子 HDMI×2(3D、x.v.color、Deep Color、CEC)、コンポーネント、コンポジット、D-Sub 15ピン
本体サイズ 470(幅)×484.9(奥行き)×179.2(高さ)ミリ
重量 約12キログラム
付属品 3Dメガネ×2、3Dメガネ用フィルター(レギュラーサイズ×2組、スモールサイズ×2組)、変換コネクターなど
発売日 11月20日(予定)
価格 72万4500円

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11月20日発売、価格:72万4500円


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