2008年から同社のDVDプレーヤーやレコーダーに搭載されている「XDE」は、超解像技術が取り込まれて「レゾリューションプラスXDE」として進化している。XDEは、基本的にSD解像度の映像をハイビジョンテレビで(アップコンバートして)再生する際、ノイズを抑えながら自然なエッジ補正を行うことで精細感を補う機能。IP変換、アップスケール、ノイズリダクション、エッジ強調の統合処理で実現しているが、ここに超解像処理を加えたことになる。
レゾリューションプラスに関しては過去記事に詳しいが、簡単にいうと低解像度の元画像からスケーリングで“仮”の高解像度画像を作り、それをあえてダウンコンバート。結果をアップスケール前の元画像と比較して差分を検出し、その情報を反映してアップスケールをやり直すことでオリジナルの高解像度版を作り出す“再構成法”が採用されている。
「レゾリューションプラスXDE」では、リモコンに専用ボタンが用意され、ワンタッチでON/OFF、2つのモードの切り替えが可能になっている。また超解像機能を持つREGZAシリーズとHDMI接続(レグザリンク)している場合には、相互の超解像技術が有効に機能するように処理内容を変更するといった機能も備えた。では、実際の効果はどうだろうか。
まず比較したのは、超解像の効果が大きいとされる実写映像。ソースがSD解像度(720×480ピクセル)なのでDVD相当と思ってもらえばいい。「レゾリューションプラスXDE」を「1」に設定すると、中央の家屋はシャープ感が増すが、ほかの部分への影響は小さく、とくにノイズっぽさが増した感じも受けない。「2」に変更するとコントラストがより強調され、結果家屋はもちろん樹木の部分も立体感が出るなど、解像感の向上につながっている。奥の山の稜線部分のオーバーシュートっぽいノイズも「OFF」や「1」に対して強調されてしまっているが、映像としてみるとこれは気になるレベルではなく、少なくとも解像感向上のメリットの方が大きい。
では、アニメーションはどうだろうか。こちらはHD解像度のソースをVRモードの最高画質(MN 9.2Mbps)でSD解像度に画質変換し、オリジナルを含めて比較してみた。アニメは放送波のままでも平坦な色使いの部分でノイズが目立つのだが、「レゾリューションプラスXDE」をONにすると「1」でも「2」でもやはり実写よりノイズの誇張が目立つ。ただし、エッジがシャープになるのも事実で、エッジ部分の線が太く見える現象も最小限だ。実写より好みに左右されるといえるが、メリハリの利いた画質が好みなら、悪くない結果だと思われる。
XDEレゾリューションプラスをONにすることで、SD映像のシャープさが増すことは事実で、例えばSD放送の多いスカパー!e2の録画が多いといったユーザーには恩恵は大きいだろう。とくに、早い時期に大画面テレビを導入した層であれば、テレビ側で超解像のような処理は備えていないはず。XDEレゾリューションプラスは悪くない機能になるはずだ。
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