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音声認識で動く“REGZA”2011 International CES

» 2011年01月11日 00時34分 公開
[小山安博,ITmedia]

 「2011 International CES」の東芝ブースでは、裸眼立体視可能な液晶テレビ「グラスレス3Dレグザ」の大型モデル試作機を大々的にアピールしていたほか、テレビ向けに開発中の音声認識技術やタブレット端末も展示するなど、見どころが多い。

東芝ブース

 裸眼立体視可能なテレビは、CES開幕直前のカンファレンスで発表されたもの(→「2Dでも最強に」、東芝の大型グラスレス3Dレグザ)。プレスカンファレンス後のパーティーでは56V型のモデルのみを展示していたが、会場では65V型も見ることができたほか、日本で昨年末に発売した20V型と12V型も並べている。昨年10月の「CEATEC JAPAN」と同じように入場制限を行っていたため、ブースには長蛇の列ができていた。

56V型、65V型の「グラスレス3Dレグザ」。インテグラルイメージング方式とレンチキュラーシートによる裸眼立体視が可能だ
こちらは国内で販売している20V型と12V型

 テレビ向けの新技術としては、音声認識を使ったテレビ操作のデモンストレーションを行っていた。テレビの上に設置したWebカメラを使い、手を2回叩くと音声認識がスタート。「チャンネル」や「ボリュームアップ/ダウン」「HDMI」といった言葉に反応し、テレビがチャンネルやボリュームを変えたり、入力をHDMIに切り替えたりする。

技術展示されていた音声認識によるテレビ操作。手を2回叩いてからコマンドを発声する。「ボリュームアップ」のように、ジェスチャーに比べて分かりやすいのもメリットだという

 今回のデモでは、チャンネル番号、チャンネルアップ/ダウン、ボリュームアップ/ダウン、ミュート、HDMI、インフォメーションといった限られた言葉(英語)しか反応しなかったが、さらにコマンドを増やすことも可能だという。言語も英語だけでなくフランス語やスペイン語、ドイツ語、日本語といった言語に対応できるそうだ。

 同社ではこれまでもジェスチャーでテレビを操作する技術展示などを行ってきたが、音声認識なら台所仕事をしながらなど、テレビから離れていても操作が行える。また、通常操作ではメニューの深い階層にある機能も一発で選択できる点もメリットだ。ブースの説明員によると、技術的なめどは立っており、今後はどういった機能を対応させるか、カメラの実装方法などをクリアして「今年中にも製品化したい」という。ただし、「こうした機能はアメリカのほうが受け入れられやすい」ため、まずは米国での展開を検討しているようだ。

 そのほか、テレビ向けにはSkypeと連携してビデオチャットが行えるシステムやネットワーク経由で動画配信サービスを利用するIPTVの展示が行われていた。また、3D関連では裸眼立体視対応のノートPCも展示されており、来場者の関心を集めていた。

テレビ向けのSkypeと3D対応PC「Satellite A665 3D」

 一方、タブレット端末は、稼働していない状態でクリアケースに収められたモックアップ展示だった。ブースには2種類のタブレットが用意されており、1つはAndroid OSを搭載。まだ正式発表前のAndroid 3.0(Honeycomb)を採用するという。液晶サイズは10.1型で、NVIDIA Tegra 2プロセッサを搭載。マルチタッチもサポートする。インタフェースとして、ミニUSB、HDMI、SDメモリーカードスロットなどをそれぞれ搭載しており、前面に200万画素、背面に500万画素のカメラを備える。米国では今春の発売を予定しているそうだ。

Android 3.0を搭載する予定のタブレット

 もう1台は、11.6型とさらに大きな1366×768/16:9の液晶パネルを搭載し、OSにWindows 7を採用するスレートPCだ。プロセッサはIntel Atomを採用し、DLNA互換の独自ソフトウェアも搭載するという。ただし、今回のスレートPCは技術展示に近いようで、現時点で発売予定はないそうだ。

こちらはWindows 7を搭載したスレートPC

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