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» 2011年01月18日 13時25分 UPDATE

麻倉怜士のデジタル閻魔帳:“スマートテレビ”とは何か――「2011 International CES」総括(1) (1/3)

ラスベガスで開催された「2011 International CES」をAV評論家・麻倉怜士氏が総括。今回はまず、テレビのあり方を再定義するという“スマートテレビ”について解説してもらった。

[聞き手:芹澤隆徳,ITmedia]

 1月6日から9日まで、米国ラスベガスで世界最大級の家電ショー「2011 International CES」が開催された。CESは、その年の家電業界を占う一大イベントであり、今後数年のトレンドを知る重要な指標でもある。今年もCES取材のために渡米したAV評論家・麻倉怜士氏は、展示会を通じてテレビをめぐる3つの動きに着目したという。詳しく話を聞いていこう。

――今年のCESは活況だったと聞いていますが、いかがでしたか?

ts_cesenma01.jpg 麻倉怜士氏。CESの後で取材訪問したWARNAR HOME VIDEOで撮影

麻倉氏: そうですね。例年ですと、展示会3日目くらいになると会場が多少すいてくるのですが、今年は4日目まで混雑していました。「International CES」を主催するCEA(米国家電協会)の公式発表によると、昨年の出展社が2500社で来場者数は12万5000人だったのに対し、今年は2700社が出展して来場者数は14万人。リーマンショック後の市場回復が著しいという印象ですね。ソニーに話を聞いたところ、カンファレンスのプレス登録数が昨年の1000人から1400人まで増えたそうです。

 家電業界の立ち直りの早さはもちろんですが、今年はAudiが展示ブースを構えたり、Fordがキーノートスピーチを行うなど、自動車関連の出展も増えていました。さまざまな業界の記者がInternational CESに来ていたということでしょう。

 かつての「COMDEX」や「Macworld Expo」など、ITを原点に持つ展示会は、ある時期のピークを過ぎると徐々に勢いを失っていくものですが、CESは家電にとどまらず、ITや自動車など、さまざまなエレクトロニクス産業の受け皿となり、“コンバージェンス”(融合)の舞台として勢いを失っていません。ITショーであり、テレビショーであり、モバイルショーであり、そして自動車ショーでもある。それが今年のCESの大きな特長といえるでしょう。

――今年はタブレットなどモバイル関係が主役という前評判でしたが、ふたを開けてみるとテレビ関連の話題も豊富でした

麻倉氏: 確かに全体の傾向としてはアップルの「iPad」に追随するメーカーが増え、タブレットに注目が集まっていました。ただ、CESが単なるモバイルショーと異なるのは、そこにテレビが絡んでくるということ。テレビとモバイル端末が融合し、混然一体となったデジタル社会が来たという印象です。

 2011 International CESにおいて、私はとくに3つのトレンドに着目しました。それは、「テレビの再定義」「3Dの新展開」、そして「新しいテレビの登場」です。具体的に話していきましょう。

テレビを再定義する“スマートテレビ”

麻倉氏: まずはスマートテレビに関連する動向です。これまでのテレビ視聴は、“カウチポテト”などと表現されるように、気軽に見るパッシブな(受け身の)エンターテインメントの代表でした。しかし、テレビがインターネットにつながり、あらゆる情報が届くようになると、趣味や仕事に積極的に活用しようという動きが出てきます。今回のCESでは“lean forward”(リーンフォワード)型――これはパナソニックが言っていたものですが――パソコンのように“前傾姿勢”で使うテレビという提案が明確に打ち出されました。

ts_cesenma02.jpgts_cesenma011.jpg パナソニックの展示資料。テレビの視聴スタイルは、“lean back”から“lean forward”(前傾姿勢)へ(左)。4インチの「VIERA Tablet」は片手で持てるサイズ。ほかに7インチ、10インチも展示していた(右)

――これまでも「インターネットテレビ」や「IPTV」と言われたものはありました。「スマートテレビ」は、どう違うのでしょう?

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