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逆転の発想がもたらしたピュアなサウンド、JVC「HA-FXC71」お年玉で買えるカナル型イヤフォン特集

» 2011年01月19日 19時00分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 逆転の発想でドライバー口径をあえて小さくし、より耳穴に近づけることでリアルかつダイレクトなサウンドを実現しているのが、JVCの「HA-FXC71」である。振動板にはカーボン素材をチョイス。高比重ボディとブラスリンクによる「デュアルシリンダー構造」やステンレス製のメタルハウジングなどを採用することで、不要な振動を抑制し、よりピュアなサウンドを追求している。

JVC「HA-FXC71」。カラーバリエーションは写真のブラックにくわえ、ホワイトが用意されている

ユーザビリティー

 ユニークな発想により、ボディーサイズがかなり小さく軽量であるため、装着感はなかなか良好だ。付け外しも簡単で扱いやすい。コードのタッチノイズを防ぐ制振ジェルもかなり有効で、振動にまつわる雑音はほとんど感じない。ケーブルは細めで柔らかめであるため、多少絡みやすいものの、コードキーパーが付属するのでそれを上手く活用すればよい。

本体と同色のコードキーパー、クリップが付属する。イヤーピースはS、M、Lの3サイズで、こちらも本体と同色

 音漏れに関してはハウジングがオープン型のため多少あるものの、かなり静かな場所でやっと聴こえる程度なので、どんなシチュエーションでもまず気にする必要はない。装着時、耳穴の気圧で振動板が「ピチ、ピチ」と鳴ってしまいちょっと不快だが、人によってはたいして気にならないレベルだろう。

サウンドの特長

 とにかく中低域の帯域バランスがよい。低音は20Hzからしっかり聞こえ、80Hz〜100Hzあたりで迫力を増すための厚みを作りつつも、2kHzまではほぼフラット。最低域がきちんと確保されているので低音の質感がよく、そのおかげもあってダイナミックさとクリアさが上手く両立したサウンドが楽しめる。高域はやや強め、6kHzあたりにちょっとしたクセがあるが、これも音のクリアさや通りの良さに貢献しているため、なかなか絶妙なチューニングといえる。

 音楽ジャンルはあまり問わない。どれもメリハリのきいた迫力あるサウンドとなる。解像度感は価格相応といった感じだが、大きな不満は感じないだろう。総じていえば、ドンシャリ傾向をもつ刺激的なイヤフォンを使い続けていた人が、高級ヘッドフォンへとステップアップする足がかりとするにはベストな製品といえる。

音質評価  
解像度 (粗い−○−−−きめ細かい)
帯域幅 (ナロー−−−−○ワイド)
帯域バランス (低域重視−○−−−フラット)
音色傾向 (ウォーム−○−−−クール)

メーカー ビクター
製品名 HA-FXC71
型式 ダイナミック型
ドライバー マイクロHDユニット
音圧感度 102dB/mW
再生周波数帯域 8〜2万5000Hz
インピーダンス 16オーム
コード長 約1.2メートル
プラグ 24金メッキ3.5ミリステレオミニプラグ
価格 オープン
関連リンク メーカーの製品情報ページ

試聴環境

アルティメットイヤーズの「TripleFi 10」

 今回の試聴には、リファレンスとしてアルティメットイヤーズの高級機「TripleFi 10」を使用した。こちらは発売されてからしばらく経過しているモデルだが、フラット&ワイドな帯域特性やダイナミックでリアリティーの高い音色、ひずみなく整った帯域バランスなど、いまでも多くの人から人気を集めている。こちらをフルマーク(音色傾向に関してはちょうど中間)と考え、各モデルを相対的に評価した




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