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» 2011年04月05日 16時16分 UPDATE

振動板にカーボンナノチューブ:2つのダイナミックドライバーを搭載したカナル型イヤフォン、ビクター「HA-FXT90」登場

ビクター・JVCは、密閉型インナーイヤーヘッドフォンの新製品として、2つのドライバーを並列配置した“ツインシステムユニット”搭載の高級機「HA-FXT90」を発表した。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 ビクター・JVCは、密閉型インナーイヤーヘッドフォンの新製品「HA-FXT90」を4月下旬に発売する。低音域用と中高域用に独立したダイナミックドライバーを持ち、並列に配置する構造は業界初という。価格はオープンプライスで、店頭では、1万円前後になる見込みだ。ボディーカラーにレッドをあしらった数量限定モデル「HA-FXT90LTD」も同時に発売する。

ts_jvcfx01.jpgts_jvcfx02.jpg 「HA-FXT90」(左)と数量限定モデルの「HA-FXT90LTD」(右)。限定モデルにはダイヤモンドカットによる赤いハウジングと赤い網組コードが採用された

 ビクターによると、HA-FXT90のターゲット層は「音にこだわりを持つ20代、30代の男性」。複数のイヤフォンを所有するようなコアなユーザー層に向け、密閉型インナーイヤータイプの中でも激戦区と言われる1万円前後の価格帯で正面から勝負をかける。

 製品のコンセプトは明快だ。「ユーザーアンケートでは、“もっと音の迫力がほしい”、“ボーカルをもっとクリアに”といった要望が多い。低域と中高域の両立はユーザーの1つの理想形と考えた」(同社AVコミュニケーション統括部事業推進部商品企画グループの澤田孝氏)。

ts_jvcfx04.jpgts_jvcfx05.jpg ツインシステムユニットの構造

ts_jvcfx016.jpgts_jvcfx015.jpgts_jvcfx017.jpg 製品概要と分解モデル

 そこで同社は、複数のユニットを使用したスピーカーの構造に着目。もちろん従来のドライバーユニットを複数並べようとしてもサイズが大きくなって無理だが、「HA-FXCシリーズ」で採用した独自の「マイクロHDユニット」を使えば小型化が可能だった。メタル製のユニットベースに5.8ミリ径のマイクロHDユニットを並べ、それぞれを低域用と中高域用に最適化する方法を採用した。

 中高音域再生用のユニットでは、業界初となるカーボンナノチューブを振動板に採用している。具体的には、PET素材のベースにカーボンナノチューブをウェットコーティングするという手法で、軽量かつ剛性の高い振動板ができたという。「当初はさまざまな金属振動板を探したが、適度な内部損失をもち、軽量で応答性の高い素材は見つからなかった。結晶構造がカーボンと異なるカーボンナノチューブは、アルミニウムの半分の軽さで鋼鉄の20倍という剛性を持つ。固有振動数が高いため、音の反応が早く、緻密(ちみつ)で繊細な音表現が可能になった」(同氏)。

 一方の低域用ドライバーには、剛性の高いカーボン振動板を採用。2つのドライバーをメタル製のベースで一体化し、さらにハウジングにも金属素材を用いて不要な振動を抑えた。ネットワークは内蔵しておらず、2Wayとは言えないものの、「2つのドライバーの音を重ねることで、厚み感のあり、高密度な音を再生できるようになった」と話している。

ts_jvcfx06.jpg 各ドライバーの再生周波数イメージ

 ケーブルは約1.2メートルのY型コードで、長さを調節できるコードキーパーが付属する。タッチノイズやコードのぶらつきを抑えるクリップ、ヘッドフォンを携帯する際に便利なキャリングケースも付属する。

 そのほかの主な仕様は下表の通り。

ts_jvcfx09.jpgts_jvcfx013.jpgts_jvcfx08.jpg

ts_jvcfx07.jpgts_jvcfx010.jpgts_jvcfx011.jpg JVCロゴのあるハウジング部はステンレス製

型番 HA-FXT90 HA-FXT90LTD
カラー ブラック レッド(限定モデル)
型式 ダイナミック型
出力音圧レベル 107dB/1mW
再生周波数帯域 8〜2万5000Hz
インピーダンス 12オーム
最大許容入力 150ミリワット
コード 1.2メートル(Y型)、3.5ミリステレオミニプラグ(24金メッキ
重量 約6.8グラム(コード含まず)
付属品 シリコンイヤーピース(S、M、L、各2個)、コードキーパー、クリップ、キャリングケース
価格 オープンプライス(実売1万円前後)
発売時期 4月下旬

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