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USB DACとしても活用できるハイパフォーマンスモデル「iBasso D2+ Hj Boa」初めてのヘッドフォンアンプ特集 番外編(2/2 ページ)

» 2011年04月14日 19時39分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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サウンドの特長

 さすがというべきか。クリアで細やかでヌケが良く、それでいてエネルギー感の高い、さらに音楽としてのまとまりやバランスも見事な整いを見せる素晴らしいサウンドだ。ボーカルやギターなどのメイン楽器は一段と前にせり出し、音の厚みや重奏感もプレーヤーのヘッドフォン出力とは桁違い。そればかりか、霧が晴れたかのようにダイレクトさとクリアさが増したため、格段のリアリティを手に入れている。その様子は、純正ヘッドフォン出力ばかりか、同じibassoの「T3 Hj」ですら色あせてしまうほどだ。

アナログ入力用のステレオミニプラグは、USB接続時にはライン出力となる

 あまりに音楽性豊かな演奏を堪能させてくれるため、我を見失って音楽に没入したくなるものの、あえて冷静にそのサウンドを分析しても、ダイナミックレンジの高さ、解像度のアップ、階調表現の細やかさ、SN感の向上、倍音成分のそろいなど、あらゆるファクターにおいてiPod nanoの純正ヘッドフォン出力とは別次元のクォリティー。しかも、そのクォリティーアップはウォークマンAシリーズですら効果を体感できるレベルだ。とくに「ウォークマンは好きだけどもう少しエネルギッシュさがほしい」と思っている人には、ベストマッチなチョイスとなるだろう。

 ヘッドフォンに対しても、向き不向きがないばかりか、それぞれの良さを上手く引き出してくれている印象だ。フィリップス「SHE9900」は+ゲインで別物のようにイキイキとしたサウンドを奏でてくれるし、シュア「SE535」も+ゲインにすると、元々のキレの良さはそのままに倍音成分や音の拡がりが充実して、なかなか魅力的な音となる。

 また、ソニー「MDR-Z1000」に関しては、とてつもない高解像度ヘッドフォンであることを改めて思い知らせてくれるような、超分析的なサウンドが再生される。そう、プレーヤーのドック出力、そしてこのD2 Hj+BOAですら、わずかに残るクセをあからさまにしてしまうのだ。そこまでMDR-Z1000の実力を引き出せるヘッドフォンアンプは、この価格帯、このサイズではまずほかにないだろう。

 このように、プレーヤーや高級ヘッドフォンの持つ実力を存分に発揮してくれるD2 Hj+BOAは、ヘッドフォンアンプとして理想的な存在といえる。わざわざポータブル性を犠牲にして、しかもけっして少なくない予算を投じて手に入れる価値がこのD2 Hj+BOAにはある。

音質評価  
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−−○−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)

製品名 D2+Hj Boa
SN比 97dB(DAコンバーター)、104dB(アンプ)
適応インピーダンス 8〜300オーム推奨
ひずみ率 データなし
出力 125ミリワット+125ミリワット(16オーム)
電源 充電式リチウムポリマーバッテリー
本体サイズ 51(幅)×21(高さ)×82(奥行き)ミリ
重量 108グラム


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