勢いのある元気なサウンドから一変、SE215はクリアかつダイレクトな印象に生まれ変わった。ひとことで言えば、素直でストレートなサウンド。中域から高域にかけては見通しが良く音数も多く、演奏の細やかな部分がよく見える。いっぽうの低域は、モニター系としてはボリューム感が大きめに設定されているものの、中域のリアルさをスポイルしてしまうこともない。絶妙なバランス感覚といえるだろう。まるで上質なモニター系ヘッドフォンを聴いているかのように、演奏のひとつひとつをありのままの姿で素直に伝えてくれる。こと帯域バランスに関しては、見事といっていいだろう。
試聴プレーヤーを「iPod nano」から「ウォークマンAシリーズ」に変えてさらに驚いた。音は一段とダイレクトになり、演奏者の様子が見えるかのように、描写が丁寧になる。また高域への伸びがとても素直で、ピアノの演奏がとても開放的になった。これはいい。
調子に乗ってさらにヘッドフォンアンプを繋ぐと、今度はひずみ感が低減されつつ、底力のあるサウンドへ変化した。女性ヴォーカルは声の伸びやかさが良くなり存在感も増したため、より歌の世界へ没入できるようになる。
このようにSE215は、プレーヤーの違いやヘッドフォンアンプの有無を如実に感じさせる、高い実力の持ち主だ。1万円前後の価格帯でこのクオリティーは望外といえる。またケーブルの交換ができるなど、ユーザビリティーとしてもかなりの魅力を持ち合わせている点もうれしい。SHUREの製品開発者は常に「ユーザーの期待を上まわる製品を作り上げることを心がけている」と言っていたが、SE215はまさにその典型、良い意味で期待を裏切ってくれた。愛用モデルとして気軽に屋外へと持ち出したい、なかなかの製品だ。
音質評価 | |
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解像度感 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−○−−−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−○−−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−○−−質感重視) |
製品名 | SE215 |
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型番 | SE215-K-J(トランスルーセントブラック)、SE215-CL-J(クリアー) |
ユニット | シングルダイナミック型MicroDriver |
音圧感度 | 107dB |
インピーダンス | 20オーム |
ノイズ減衰量 | 37dB(最大) |
再生周波数帯域 | 22〜1万7500Hz |
入力コネクター | 金メッキ3.5ミリ(ステレオミニプラグ) |
ケーブル | 1.6メートル着脱式、ワイヤーフォームフィット機能付き |
価格 | オープンプライス(実売予想価格:9500円前後) |
発売日 | 販売中 |
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