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これぞSHUREのモニターサウンド、「SRH940」を聴く野村ケンジのぶらんにゅ〜AV review(2/2 ページ)

» 2011年04月28日 15時38分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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サウンドの特長

 実際にプロミュージシャンやオーディオエンジニアが開発中のサウンドチェックに携わったというだけあって、SRH940はモニターヘッドフォンとしてかなりの優秀さを披露してくれた。

 帯域バランスは、実際のグラフだけでなく聴感的にもフルフラットな印象。低域は芯が強く、付帯音のないフォーカスの合った音がボトムラインまでどこまでも続く。いっぽうの高域は、倍音成分のそろいが良好で、ピアノの音はストレスなく拡がり、女性ボーカルの歌声も開放的でのびやかだ。またスタジオモニターだけあって、音数も解像度感も高く、演奏も歌声も細かなニュアンスまで正確に伝わってくる。名機E5c(カナル型イヤフォン)のような熱気やグルーブ感の高いサウンドとは傾向が異なり、あくまで冷静かつ素直なサウンドだが、それゆえ演奏の真意が伝わりやすく、見事な録音の楽曲に至っては間近で演奏してくれているかのようなリアリティーを味わえる。これはなかなかだ。

 さらにいえば、モニターヘッドフォンとしての優秀さを持ちながらも、高域が耳障りに感じることもなく、音楽としてのグルーブ感もしっかり伝わってくるあたりがSRH940ならではの美徳といえるだろう。このあたりは、モニターヘッドフォンを音楽観賞用として使いたい人にとってかなりの魅力となるはず。趣向的なライバルといえるソニー「MDR-Z1000」の様な超絶解像度タイプではなく、金額的に近いビクター「HA-MX10-B」のような冗舌タイプでもない、新たなモニターヘッドフォンの方向性を提案してくれる、貴重な1台だ。


音質評価  
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−−−○フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)

型番 SRH940
型式 ダイナミック型
ドライバー口径 40ミリ
音圧感度 100dB
インピーダンス 42オーム
最大入力 1000ミリワット
再生周波数帯域 5〜3万Hz
重量 320グラム
コード長 カール3メートル、ストレート2.5メートル
価格 オープンプライス(実売想定価格は2万6800円)
発売時期 5月中旬以降
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