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LG、偏光方式を採用した「CINEMA 3D」など液晶テレビ新製品メガネもいろいろ(2/2 ページ)

» 2011年06月15日 23時31分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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家族で見られるCINEMA 3D「LW5700シリーズ」

 CINEMA 3Dは、「Film Patterned Retarder」(フィルム・パターンド・リターダー、フィルム偏光)方式と呼ばれる3D技術を採用している。画面に“しま模様”のようなパターンを持った偏光フィルムをはり、1ラインごとに右目用と左目用の画像を表示。メガネの偏光フィルムが右目用・左目用それぞれの光だけを通すことで視差を生む。ライン・バイ・ライン表示のため、垂直方向の解像度は半分になってしまうものの、新しいIPSパネルやライトブースト技術の採用により、明るく、視野角の広い3D表示を実現したという。「3D表示時の明るさは従来機比で約2倍。視野角は178度と広く、家族や仲間と一緒に3Dを楽しめる」(同社)。

 シャッター構造を持たない偏光メガネは、フリッカーレスで顔を傾けても3D視聴には問題ない。電源も不要で、軽く安価にできるのが最大のメリットといえる。重量は、従来製品のアクティブシャッタータイプが42グラムだったのに対し、新製品では16.5グラム(付属のベーシックタイプ)に軽量化。LGでは、軽さと低コストという特長を生かし、普段メガネをかけている人がその上に装着できる「クリップオンタイプ」、下側のフレームがない「ハーフフレームタイプ」など、複数の製品バリエーションを用意する。

メガネの重量比較(左)。3D視聴時も視野角は広い(右)

 「アクティブシャッター方式のメガネをオプションで購入すると1個1万円前後もする。偏光メガネなら1000〜2000円程度と安く、アクティブシャッター1台分の価格で家族全員のメガネがそろう」(同社)。なお、製品には専用メガネが2個同梱(どうこん)される。

 新しいIPSパネルは、液晶のマテリアルから見直し、ネイティブコントラストを13%以上改善したというもの。さらにカラーフィルタも新開発。色域はハイビジョン放送の国際色空間標準規格BT.709比で99%を確保している。

,,新IPSパネルの概要

 LEDバックライトは、画面の左右フレーム部にLED素子を配置したエッジタイプ。導光板によって8×2の16分割の発光制御が可能だ。また導光板はレーザーカッティングで精度を向上したほか、LEDチップも形状を改善して実装する素子の数を41%減らすことに成功している。「一般に白色LEDは、青色LEDに黄色の蛍光体をかぶせて白色にしているが、われわれは人が最も明るさを感じる周波数に集中することで発光効率を向上させた」。消費電力は最大33%削減したという。

 このほか、USB HDDへの録画対応や「アクトビラ」といった機能はLZ9600シリーズと共通。HDMI入力は側面1を加えた計4系統となっている。

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