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LED電球が白熱電球の販売数を超える、GfK Japan調べ節電意識高まる

» 2011年07月08日 19時57分 公開
[ITmedia]

 ジーエフケーマーケティングサービス ジャパンは7月6日、「家電量販店店頭におけるLED照明(LED電球、LEDシーリングライト)の販売動向」を発表した。それによると、電球市場におけるLED電球の占める割合が今年7月第1週には約50%に到達。白熱電球の販売数を上回ったという。

「LED電球 地区別数量構成比」出典:ジーエフケーマーケティングサービス ジャパン

 電球市場における数量構成比は、昨年2010年6月ごろは白熱電球が60%前後、LED電球は20%前後と、既にメーカー各社よりある程度LED電球のラインアップは充実していたが、依然白熱電球がシェアの半数以上を占めていた。しかし、今年2011年6月時点の状況を見るとその差は逆転、LED電球は43.5%と大幅に数量を伸ばし、月間で初めて白熱電球を上回る結果となった。また、7月第1週(6月27日〜7月3日)には49.8%と勢いを強め、電球市場におけるLED電球のシェアは約半数に到達している。この1年で大きな変動があった電球市場だが、この急激な変化は3月から4月を起点に発生しており、とくに関東甲信越地方では5月時点でLED電球が白熱電球を逆転、以後2か月連続でその差は開き続けている。

 「LED電球の平均価格動向をみると、需要が急伸した3月以降はほぼ横ばいで推移していることから、今回のLED電球に対する需要増加は価格の下落が主な要因ではなく、3月11日に発生した東日本大震災後の計画停電等よる節電意識の高まりなど、消費マインドの変化よる側面が大きいと考えられる」(同社)。

「シーリングライト管球別 数量・金学構成比」

 さらに、LEDシーリングライトの需要も拡大しているようだ。「シーリングライト管球別 数量・金学構成比」の調査によると、LEDシーリングライトの市場を占める数量構成比は2011年1月時点では2.2%だったが、6月時点では15.8%と大きく数字を伸ばした。加えて、金額構成比は42.7%と初めて金額ベースで他管球シーリングライトを振り切り、最多シェアを獲得している。また、関東甲信越地区では数量構成比は17.1%、金額構成比では45.7%と電球市場と同様に全国平均を上回る傾向が見られた。

 「2010年8月以降にシャープ、東芝が相次いでLEDシーリングライトを発売したものの、平均価格が4万円台と丸形スリム管や丸形ツイン管のシーリングライトに比べ約4倍高かったことなどから、2011年年初時点では数量構成比はあまり伸びていなかった。しかし、2011年4月以降には急速な販売数増加が起きており、これは節電意識の高まりと併せ、パナソニックが市場参入するなど、製品ラインアップが拡充された結果だと考えられる。加えて、平均価格が約3万8000円と年初に比べ、約9%下落したことやシーンに合わせて明かりの色味を調節できる調色機能をもったモデルが充実してきたことも、LEDシーリングライトへの買い替えを後押ししている要因だと思われる」(同社)。

 また、今後のLED照明の展開について同社は「今夏は再び電力不足になることが懸念されており、一部企業でも節電対策で休日操業を導入するなど、節電ムードが全国に広がっている。そのため、消費電力を抑えられるLED照明に対する需要は底堅く、加えてLED小丸電球やLED蛍光管などの製品ラインアップも広がりを見せているので、今後はさらに幅広く進展していくだろう」とコメントしている。

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