ちなみに今回借用したSHC-100FSは1.2メートルバージョン。純正に対してケーブルが短いこととと、皮膜のシリコンぽい感触による手離れのよさから、ケーブルが不意に絡んでしまうことはいっさいなかった。この点に関してもなかなか好印象を持った。
さて、肝心のサウンドをチェックすべく、まずは「SE535」を取り付けてみる。
明らかに純正とは音が違う。ドラムのアタック音は抜けが格段によくなり、演奏全体もよりダイレクトに感じられるようになった。帯域バランスについても、純正の素性のよさはそのままに、さらにワイドレンジになった印象だ。こいつはいい。
念のため純正ケーブルに戻してみると、残念ながら歌声が息苦しく聴こえるようになってしまった。純正もそれほど悪くはないのだが、SHC-100FSと比べてしまうと、かなり抜けの悪い音だといわざるを得ない。とくにブラウンに付属するブラックカラーのケーブルはその傾向が顕著に現れる。これも潜在能力が高いSE535ならではの現象だろう。もう元には戻れない印象だ。
次にSE215を聴いてみると、こちらも同じような抜けのよさ、ダイレクト感の向上を感じた。ただしSE535のようなレンジのワイド化までは感じない。効果のほどは確実だが、それがSE535に対して小ステップであることは事実だ。SE215の場合、本体よりもケーブルのほうが高価だという点も気にかかる。こちらの場合は万人ではなく、リケーブルによる効果のほどを実体験したい、という人にのみお勧めしよう。
いずれにしても、SEシリーズのユーザーにとってはまた1つ、魅力的な製品が登場したといえるだろう。
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