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全文公開! 賢いテレビって、どんなもの?(前編)「ITmedia スマートテレビ研究所」第一回シンポジウム(4/4 ページ)

» 2011年08月19日 18時06分 公開
[ITmedia]
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いとう そうですね。まあ、少〜しですけど。でも、まだこれからどんどん広がっていくと思うので、もしかしたらユーザー側の要望があれば、例えばアプリケーションで何かが追加されるというようなことと連携して、ユーザー側の意見が組み込まれていく。今までは、あるものをドンと渡されて、それをただ見るだけだったんですけど、これからはもしかしたら、ユーザーの気持ちも少し反映されていくものになっていくのかもしれないな、とちょっと思ったんですけどね。

乙武 松村さん、どうでしょう。

松村 そうですね。先ほどおっしゃった色んな映像の入力ソースを楽しむというのが1つポイントになってきているのかなと思っているんですけど、Twitterで見ていると、ゲームをつないだりとかっていうので、テレビの放送波以外のものをテレビで楽しむようになったという話があったんですけど、「どんなものがつながるとリビングが変わるんだろう」というご意見を持っている方がいらっしゃたりとか、「地上波のテレビじゃないものを楽しめるようになるというところが、1つ大きな変化じゃないか」というご意見もTwitterではありました。

乙武 みなさんに色々お話いただいて、少しずつスマートテレビというもののイメージが湧いてきたかな、と思うんですけれども、ここでみなさんにリアルタイムでアンケートをとってみたいなと思っています。Ustream、ニコニコ生放送、それぞれご覧いただいているみなさんに、このスマートテレビというもののイメージについてお聞きしてみたいと思います。

 4つの項目の中から選んでお答えいただければと思います。1つ目、「便利になる」。それから「質を高める」。さらに「可能性が広がる」。4つ目が「必要ない」。えー、これがもし一番多くなったらもう、番組を打ち切ろうかなと思っちゃいますけど(笑)。この4つの中からみなさんに3分間の中からお答えいただければと思います。それでは、みなさん、どうぞお願いします。

 さ、みなさんにお答えいただいている間に、こちらでもアンケートの項目についてそれぞれ深めていければなと思うんですけど、便利になるというのは、松村さん、確かにそれはそうなりそうだな、というイメージは湧いてきましたね。

松村 そうですね。やっぱり撮ったそのままのものを大きな画面で見るというのが、もっと簡単になるということは、全然詳しくない人でもスマートフォンさえあれば、大きな画面で見られるようになるということですから、便利になるというのは、わりと簡単に体験できるんじゃないかなという風に思うんですけれども。

乙武 例えば、みんなでワイワイしているときも、どうしてもスマートフォンの画面だと、物理的に限りがありますから、みんなでそれを共有するというのは難しくても、こういった大画面にパッと映せるだけでずいぶん楽しくなりますよね。

松村 ややリア充気味の方々からすると、旅行に行って、ホテルの部屋にスマートテレビがあったりすると、旅行中に撮りまくった写真をその場でワイワイ見ながら楽しめるわけですよね。そういうのはイメージしやすいですね。

乙武 なるほどね。

麻倉 しかもネットで送れるからね。同時にそれを見て、何人かが楽しむという。やっぱりビジュアルで見て同じ感想を持てるというのが同時にできますよね。

乙武 今、それが可能なのか分からないですけれども、一旦そうやって送ったものを、今度テレビの方から取り込んでみんなで共有したり、ということもできたら楽しそうですよね。

麻倉 テレビはどちらかというと“ファミリー材”(ファミリー向けのアイテム)ですよね。で、これ(スマートフォン)は“自分材”(個人向け)ですよね。この2つが架け橋を持つってことが画期的ですよね。

乙武 なるほどね。この2つ目の「質を高める」というのは、ちょっと逆にイメージしずらいかなと思うんですけど、本田さん、どういう形になっていくんでしょうか。

本田 今の話とつながっていくところもあると思うんですが、映像を見ていて何が楽しいのか。1人で見ていてももちろん楽しいんだけれども、2人で見る方が楽しかったりするじゃないですか。そこで、例えば、今の話とつながってくるのが、よくハリウッドの業界の関係者の人たちって、映画の公開の初日にみんな映画館に行って「この役者はこうだよね」とか「このカットはこうだよね」とか、テキストのチャットを携帯電話でしているんですって。映画館だから喋れないじゃないですか。みんな同じ時間に見ているので、そういうことをやっていたりする。そういう風に、テレビを中心に場を共有して、友だちとね、同じソーシャルグラフの中にいる人達とやり取りしていると、楽しいと思いません?

いとう 楽しいですね、それは。

乙武 なるほどね。お、あっという間に3分経ったようです。ここでアンケートを締め切らせていただきたいと思います。みなさんありがとうございました。今、集計をしておりますので、少々お待ち下さい。いとうさん、この3番目の「可能性が広がる」というのは、今、みなさんからスマートテレビってこういうものだよとお聞きして、こんなことができたらもっと楽しいな、なんてアイデアは湧きますかね。

いとうさん、テレビを見ながら視聴者参加も【21分00秒前後〜】

いとう そうですね、う〜ん。私なんかは出る側の人間なので、あまりテレビじゃない機能が追加され過ぎて、テレビを見られなくなるのも寂しい(笑)。なので、テレビを見つつも、そこに視聴者が参加できるようなことで広がっていってもらえる方が、私としてはありがたいですけど。テレビがすごくいいんだけど、それじゃない使い方、もうテレビがまったくパソコンのような使い方でしかならなくなっちゃうと、出る方としても寂し過ぎますからね。

乙武 なるほどね。松村さん、他にも可能性を広げるって、どんな……

松村 そうですね。今、まさにTwitterでたくさんご意見をいただいているじゃないですか。これって、なんとかならないのかなというのがあって、やっぱりテレビを一緒に同じタイミングで見ている方々って、すごくたくさんいらっしゃると思うんですけど、じゃあその方々の見方とか面白い視点というのに、こういうリアルタイムのストリームを見ていると出会えたりするっていうのは、ちょっとずつ、サッカーとか野球とかのスポーツ中継なんか特に盛り上がったりしていると思うんですけども。世界一のツイート数を叩き出したりしているわけですよね。そういうのって、もうちょっとテレビが取り入れられるんじゃないかなって、すごく期待しているんですけども。

いとう そうですよね。今、Twitterとか、よく番組内でツイートを募集して「Twitterでどんどんご意見くださいね」っていっていますけど、テレビとTwitterって全然連動していなくて、Twitterの画面はテレビには一切反映されなかったりしますから。そうするとパソコンを見ながらテレビも見なきゃいけない。それがテレビの画面上で一緒に見られれば、なお楽しさは増しますよね。

麻倉 可能性でいうと、テレビ番組をより面白く見られると。例えば同じようなテーマで撮っても、いろんな局が違う捉え方をしていますよね。そういうのってこういうような手段がないと、よく分からないわけですから、今まで見過ごしていたこととか、もっと深く入り込む、テレビとかネット番組とかコンテンツに対して、もっと入り込めるチャンスがあるということじゃないですかね。

いとう そうですね。

――中編に続きます(→中編はこちら)。

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