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全文公開! 賢いテレビって、どんなもの?(中編)「ITmedia スマートテレビ研究所」第一回シンポジウム(3/4 ページ)

» 2011年08月24日 20時11分 公開
[ITmedia]

麻倉 基本的には、こういうものに対するリテラシーがあるのは若い人ですから、当然、スマートフォンを持っていて、それを使う人でしょうけど、本当にスマートテレビが普及するためには、非常にリテラシーを下げなきゃいけないと思うんですね。つまり、何々する知識が必要だとか、そういうようなことが前提であれば、やっぱり今までのネットなんかみたいに、流行ものみたいな感じである程度は行くんだけど、それ以上はいかない。これが本当に国民のものになるために、徹底的に目線を下げて、誰でも使えると。

 だから僕、本当にね、究極的には、思ったことが動くと。つまり操作できると。こうしたいと、例えば手裏剣だって、結局手でやらなきゃいけないですけど、「向こうに行けよ」って思ったら、「これを見たい」と思ったら、そういうものが出てくるといい。だから、そういう意味では、スマートさをもっとテレビが持っていて、我々がDLNAとかをやらなきゃいけないんじゃなくて、テレビがそこに入っただけでその人を察してくれるとか、そういうスマートさがあったときに、本当に伸びると。まあ、そこまで行くとちょっと夢物語になりますから、やはり基本的にはスマートフォンを使って、その延長にあるという。そのスマートフォンから透視してテレビがある、というところが、まずは、最初の構図じゃないですかね。

乙武 本田さん、いかがでしょうか。

本田 おっしゃっていたようなところも当然あると思うんですが、やはり、簡単にいかに使わせるか、という見せ方ですよね。やりたいことというのは、結構あると思うんです。メディアを共有したい、「一緒に見たいね」というのもあるだろうし、もしくはインターネットを通じて、SNSを通じて、同じテレビを見ながら場を共有したいというのも当然あるだろうし、他にもいっぱいいろんな要求があると思うんですけど、それを簡単にいかに、できるように見せるのか。これ、見せ方なんですよね。

 機能的なもの、「こんなことがやりたい」というのは、実は何年も前からたくさんあって、あまり変わっていないんですが、それをうまく見せて、使ってもらうような仕組みってなかなか作れなかったので、そこをスマートにまとめていければ、本当にスマートテレビになっていくのかなと思います。

ネットでテレビ番組の検索やレコメンド【36分30秒前後〜】

麻倉 個人的には、やっぱり番組検索というのが結構たいへんなんですよ。例えば、今もう、ネットを加えなくても、スカパー!HDだけでも何百チャンネルありますからね。見たいものが結構あるし、それから地デジもあるし、これもあるし、さらにネットもあるとなると、つまり「自分のインタレストはこうなんだけど、それに対してどんなものがあるんでしょうか」ということに対して、昔はテレビガイドを見てました、今、EPG見てました、じゃあ、それから先はなんでしょうか。まあ、ネットに色々ありますけれど、そういうものを統合して見せてくれるようなものがもしあれば、それ1つあっても僕は突破口だと思います。見たいものを見せてくれるっていうね。

本田 何か世の中で流行っているかとか、これ面白いんだけどって後から言われても困るじゃないですか。例えば、テレビで予約がたくさん集まっているものがあって、それが見えたらば、「もしかしてこれ、面白いのかもしれない」ってことで見ることができかもしれないし、いろんな形でネットワークのサービスとテレビがつながることで、新しいことがどんどんできてくる。

麻倉 予約はね、必ず1週間前からするんですよ。僕がBS中心だからやるんだけど、BSって結構たくさんあって、それだけで30分もかかっちゃうんですよ。だから、そんなことやってられないところがあって、でもやっぱり録りたいなと。本田さんがおっしゃるように、「あれ、これやってたのかよ」みたいなこともあって。例えば、見逃しみたいなものも的確にやってくれるとか、これからもレコメンデーションしてくれるとか、そういうものってスマートだなと思いますね。

乙武 例えば、いとうさんのファンの人が、今まではテレビを見るって、テレビ欄とかで、もっとテレビが好きな人はテレビ情報誌を買って、くまなく探さないと分からなかったですけれど、例えばスマートフォンに登録して「いとう まい子」というキーワードを入れておけば、出る番組のお知らせなんかがメールかなんかで送ってくれて、そこのボタンをクリックするとそれだけで録画できたり、ということが可能になってくるんですかね。

いとう でも、いまでも、ビデオっていうんですか。録画するものに、名前を入れておくだけで、出ているものがほとんど録画される機能はもう備わっているんですよね。

麻倉 でも、例えば、長い番組の中でいとうさんは5分だけ出てました、となると……

いとう (笑)

麻倉 だから、見たいって言うと、そこまでやらないと見られないんですよ。だから、出た番組でも、「いとう まい子」って入れれば、そこからタグが出てくるというようなことがあれば、すごくいいよね。

いとう そこだけ見られても、ちょっと(笑)

麻倉 そこまで徹底して見たいと。

本田 実際、他社なんですけど、そういう機能がすでにあって、例えば、これはこんなに面白かったんだよ、っていうようにタグとおっしゃいましたけど、印を付けておくと、みんなで共有してそこを見てみようというと、そこにポンとジャンプするんです。録画していたところに。

いとう えーっ、そんなのあるんですか?

本田 そういった機能があったりしますよね。ソーシャルネットワークとつながって、テレビの楽しみ方を変えるというのは、1つアイデアとしてはあると思います。予約にしても、同じような番組が好きな人が、この番組お勧めだよっていったら、ポチッとTwitterのリンクをクリックすると予約ができたりテレビが映ったりすると結構いいですよね。

いとう いや、それはいいです。もうね、予約を忘れて家を出ることが一杯あるので、外にいて簡単にできたら。例えば、最近の録画する機種というのは、すごく難しくなっていて、「これとこれとのスイッチを入れて、こっちで合わせていかないと録画できない」ってことがあって、例えば、親に頼んでおこうと思っても、親ができない。昔だったらね、ポチってやったらできたものが、今じゃとてもできなくなっているのを、本当に操作1つで録画できるようになったら、そんなに便利なことはないですよね。

麻倉 1つの番組って、作った人ってそういうことで作っている。色んな人が考えると、100の見方があるんですよね。100の見方が集約して、パッとできるあたりがスマートなのかな。

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