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着実に進歩する各社のスマートテレビ戦略(1)IFA 2011(3/5 ページ)

» 2011年09月05日 02時50分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

ソニーブースでは引き続きGoogle TVをフィーチャー、新型タブレットも

 ソニーブースでは、同社が業界に先駆けてリリースした“Google TV”「Sony Internet TV」が引き続き全面プッシュされていた。

ソニーブースでは、同社が業界に先駆けてリリースした“Google TV”「Sony Internet TV」をプッシュ。あまり成功したとはいえないGoogle TVだが、次の世代のソフトウェアアップデートをにらんでか、引き続きソニーブースでは大きくフィーチャーされていた

 Google TVは、Googleを中心にIntelやソニーが集まって開発したスマートテレビプラットフォームの1つだが、残念ながら現在のところ成功したとは言い難い状況が続いている。理由はインタフェースの問題もさることながら、スマートテレビの特長の1つである「拡張性」の部分がスポイルされていたことも大きな原因だろう。Google TVはもともと「Android」をベースに開発され、Intelプロセッサを搭載したTV上でOSが動作する形態をとっている。そのため本来であればAndroid向けのアプリがそのまま動作するはずなのだが、アプリをダウンロードするための「Android Market」が提供されておらず、拡張性についてはGoogleが行っているシステムアップデートのみという状況が続いていた。

 提供されている機能アプリも、「YouTube」や「Netflix」など比較的ベーシックなもので、サードパーティー製のアプリは利用できない。だが現在、GoogleではサードパーティがGoogle TV向けアプリを開発するための専用キットの提供を開始しており、間もなく登場するといわれる第2世代のGoogle TVではAndroid Marketを通してアプリの販売が可能になる。提供時期は今年2011年第4四半期とも来年2012年第1四半期ともいわれているが、これでGoogle TVがようやくスマートテレビとして本来の機能を発揮できるようになるだろう。そのため、ソニーにおけるGoogle TVも現時点では提供されていない「Android Market」と「アプリ」に関するものが中心で、「拡張可能なTVプラットフォーム」としての性格を前面に押し出している。もともとAndroid自体はオープンプラットフォームを標榜しており、この点がソニーのスマートテレビ戦略におけるユニークな点だといえるだろう。

Google TVではないインターネット対応TVも多数紹介されている。Twitterのタイムラインを表示しつつスポーツ中継を見ているところ

 またソニーではGoogle TV意外にも、国内で販売しているBRAVIA(インターネットTV)に近い製品の数々も展示している。こちらはパナソニックの戦略に近いもので、スマートフォンやタブレットと連携してリモコンやコンテンツ共有サーバとして利用する形態だ。ソニーエリクソン製スマートフォンを利用したり、あるいは先日発表されたばかりのSony Tablet S/Pを組み合わせた展示が行われていた。

「Media Remote」アプリを使ってTVコンテンツをスマートフォンから制御。こうしたスマートフォン/タブレット連携やコンテンツ連動は、ソニーブースにおける展示の多くを占めていた(左)。こちらはキーボード入力を要求される場面でPCのキーボードを使ってリモートから制御(右)

「Picture Throw」と「Video Throw」は、手元のデバイス上のコンテンツを大型TVで再生することができる仕組み

「Sony Tablet S」と「Sony Tablet P」も展示されている。とくにTablet Sについては、テレビ連携の展示で頻繁に見かけた

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